【天に唾する】ということわざの意味は?誤用されやすいので注意!

ことわざ・慣用句

「天に唾(つば)する」ということわざの意味を知っていますか?

言葉の通りに受け取ると、ことわざが伝えようとしている意味とは違う意味として受け取ってしまいます。

「天に唾する」を正しく使えるように、意味の解釈が間違っていないかどうかチェックしてみましょう。

スポンサーリンク

「天に唾する」の意味

「天に唾する」とは、

人に害を与えようとしたことが、結果的に自分に返ってきてひどい目にあうこと。

という意味です。

天に向かって唾を吐けば、それは自分に降りかかってきます。

人に害を与えようとする悪い考えを持つ人間に対して、戒めるためのことわざです。

「天に唾する」を身分の高い人、目上の人に対して唾をかけるような冒涜の意味と勘違いされやすいので気を付けましょう。

中国のお経の「四十二章経」の中に、「天に唾する」のもとになった記述があるので、もとは中国から伝わってきたことわざだと考えられます。

「天に唾する」とはまったく違いますが、「情けは人の為ならず」も大きな意味としては共通します。

「情けは人の為ならず」とは、困っている人に情けをかけるのは、その人のためではなく、自分のためだという意味です。

困っている人を助ければ、救われた人は他の誰かを助けます。

そうして情けが巡り巡っていつかは自分にも返ってくるという意味なのです。

お互い様に支え合う、相互扶助の精神を教えることわざなんですね。

「天に唾する」は悪いことを考えると自分に返ってくるという意味なので、善悪の違いはありますが、伝えようとしていることに通じている部分があると思います。

スポンサーリンク

「天に唾する」と似た意味の言葉

「天に唾する」と似た意味をの言葉は他にもあります。

いくつかあげてみましょう。

お天道様に石

お天道様とは太陽のことです。

太陽に石を投げたところで、太陽に届くはずもありません。

「お天道様に石」は「天に唾する」と同じように、人に与えようとした害は自分に返ってくるという意味です。

太陽に向かって投げた石は、自分の頭に当たる危険がありますよね。

泥を打てば面へはねる

泥を人に投げると、当たった泥が飛び散って、自分の顔にもはね返ってきます。

「泥を打てば面へはねる」も「天に唾する」と同じ意味のことわざです。

寝て吐く唾は身へかかる

寝た状態で唾を吐けば、そのまま唾は自分に降りかかってきます。

「寝て吐く唾は身へかかる」とは「天に唾する」と同じく、人へ害を与えようとすると自分に害が返ってくるという意味のことわざです。

スポンサーリンク

「天に唾する」の誤用例

「天に唾する」ということわざの意味を理解できれば、誤った使い方をすることもありません。

よく間違われる誤用例を見てみましょう。

「国会議員の先生に向かって、そんなひどい言葉を投げるなんて、天に唾するようなものだ」

このように、天に向かって唾を吐きかける=目上の人に対する無礼な行いというのは誤用ですから、間違えないようにしましょう。

「憮然とする」という言葉の意味も誤用されやすいのでチェックしてみましょう。

まとめ

「天に唾する」ことは、誰かにダメージを与えるために行ったことが、自分に返ってきてしまうという意味なので、使うシーンを間違えないように意味をしっかり理解しておきたいですね。