【名物に旨い物なし】とはどんな意味?

ことわざ・慣用句

「名物に旨い物なし」とは、どんな意味だと思いますか?

名物になるのは、

旨いから名物になるんじゃないの?

そうよね

名物ってそういうものよ

そう思う人が多数でしょう。

ですが、ほんとにそうなのか?と考えさせられるのが「名物に旨い物なし」です。

名物とは何なのか、ちょっと深く掘り下げてみましょう。

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「名物に旨い物なし」の意味

「名物に旨い物なし」の意味を調べてみました。

世の中には評判倒れのものがおおいということ。

名物として知られている物は、食べてみるとうまいものがないということから。

新明解故事ことわざ辞典

このように書かれています。

さて、困りましたね。

名物というのは、いったい何なのか・・。

名物とは

名物とは、その土地で有名なもののことで、食べ物とは限りません。

○○名物としてお土産になる食べ物、○○名物として、その土地へ寄ったら食べたい物以外にも、その土地でしか見られない景色や文化も名物に含まれます。

また、その土地でしか食べられない、見られない、経験できないことなど、珍しさも名物として評判になることもあります。

そう考えると、たしかに「名物」は旨いものとは限らないのかも知れません。

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名物にガッカリすること

「名物に旨い物なし」と初めて聞いた人でも、それに共感する人は少なくないでしょう。

それは名物と呼ばれるものを食べて、期待を裏切ってガッカリしてしまうという経験をしている人が相当数いるからです。

この場合の名物は「旨い物」と食べ物に限定しているので、まず食べ物で考えてみましょう。

その土地でしか食べられないものが美味しく感じるのは、苦労してたどり着いた旅先だからではないでしょうか。

今の時代は移動手段もイロイロありますから、国内旅行どころか海外旅行も気軽に行けますが、庶民の移動手段が徒歩しかなかった時代は、旅に出るのは人生の一大事だったのです。

江戸時代の中期以降になると、江戸から伊勢参り、京の都まで旅をする庶民も徐々に増えてきますが、それでもごく一部です。

そういう経験をした人が、旅先で名物を食べた感想を土産話として伝えると、今でいう「盛った」感想になりがちです。

話に聞くだけで、実際のその場所へ行ける人が少なかったのでしょうが、庶民が旅を楽しむ時代になると、話に聞いていた名物を実際に食べてみる人も出てきます。

想像だけが膨らんでいた名物の味は、実際はさほどでもなく・・・というのは、よくある話です。

「名物に旨い物なし」と断定してしまうのもどうかと思いますが、お土産話は話半分に聞くようにしないと、ガッカリしてしまうのでしょう。

そして、旅先の風景を写真に撮るようになると、さらに旅先の名物の意味も幅が広がります。

SNS映えするような風景を撮影するためだけに遠出する人もいますから、そういう風景を見ると実際に現地で見て見たくなるのもわかります。

ですが、実際に行ってみると写真で見たような風景とは違ってガッカリするということもありますね。

これも「名物に旨い物なし」を用いて表現できるのではないでしょうか。

まとめ

日本各地の名物やその土地特有の食べ方などを紹介するテレビ番組もありますし、芸能人が各地を旅してその土地の名物を紹介する番組もありますね。

そういう番組を見て、ぜひ食べてみたいと思って取り寄せたり、その土地まで出かけて食べてみると、「さほどでもない」とガッカリすることも・・・。

大げさに紹介しているのだから、お土産話と同じく、話半分で受け止めないとガッカリが量産されてしまうので気を付けましょう。