「おそらく」は「たぶん」とか「きっと」と同じ意味の言葉として使われています。
「たぶん」や「きっと」よりも丁寧な印象を受けますが、意味としては同じだと思っている人がほとんどでしょう。
でも、「おそらく」は「恐らく」と書きます。
「恐」の文字が使われるのはなぜなのでしょう。
何か恐ろしいことが関係している言葉が由来だったのか、それとも今の「おそらく」の使い方は本来の正しい使い方から変わってしまったのか、疑問です。
今回は、「おそらく」の意味や語源、使い方を解説します。
「おそらく」の意味とは
「おそらく」は、
そうならないかもしれないという疑念を少し持ち、ためらいながらも、その実現を推察する様子。
このような様子を表す意味の言葉です。
そうならないかも知れない・・という自信のなさを表現する時に使うのが「恐らく」なのですね。
「おそらく」の語源
「恐らく」は、「恐る(おそる)」という言葉と深い関係があります。
「恐る」とは、自信がなくて、予測される結果を心配しながら、逃げ腰になりながらも実行する様子を表しています。
「恐る恐る聞いてみた」とか「恐る恐る開けてみた」などと言いますが、「恐る恐る」になると、恐怖を感じてビクビクしている様子です。
「恐る」だけで表現する時は、怖がっているわけではなく、自信を持てずに心配しながら実行する様子となります。
「恐らく」は、そうならないかも知れないと思いながら推測する意味なので、語源として考えられるのは「恐る」からだと思われます。
「たぶん」や「きっと」との違い
「恐らく」という言葉を「たぶん」や「きっと」と同じように使っている人は少なくないと思います。
それが間違いというわけではありませんが、「恐らく」の意味を考えると、使い分けることができます。
自信がある時→たぶん
希望を込めて→きっと
このように分けると、わかりやすいのではないでしょうか。
例文
恐らく受かっていないと思うけど、もしかしてってこともあるから連絡を待つよ。
面接では自分でも驚くほどリラックスして伝えたいことが言えたから、たぶん合格だと思う。
あんなに頑張って就活したんだから大丈夫だよ。きっと内定通知がくると信じたい。
このように、自信の有無が使い分けるポイントになっています。
「きっと」は、自信はあるけど少し心配な時に、願いを叶えるような気持ちを表現するので、「恐らく」や「たぶん」とは少し違うのかも知れませんね。
「おそらく」を使う時の注意点
自信なさげなことや、悪い結果が予想される時に使うのが「おそらく」なので、使う場面を間違えないように気を付けたいですね。
自分自身のことなら構わないでしょうが、相手に対して使う場合はとくに注意が必要です。
何かの知らせを待って不安になっている人に対して、「あなたならおそらく大丈夫よ」というのは励ましにはなりませんから、気を付けましょう。
このような場合には「あなたならきっと大丈夫よ」と言うのが正しいと思います。
ただ、無責任に安心させるようなことを言いたくないのなら、「きっと大丈夫だと思いましょうよ」と一緒に願っているような言い方もありますね。
まとめ
「おそらく」は「恐」という文字を使うので、恐怖に関係することが語源になっていると思ったのですが、「恐」という文字には、恐怖とは関係ない意味も含まれていました。
自信なさげな様子のことだったのですね。
結果に自信のない時には、「たぶん」ではなく「恐らく」を使うと伝わりやすいようです。