【魚を得て筌を忘る】とはどんな意味?類語や使い方は!

ことわざ・慣用句

「魚を得て筌を忘る」(うをえてせんをわする)これは古い言葉なので、あまり使いませんね。

でも、なんとなく

意味はわかる気がする

すごいわね

私は筌(せん)とは

何なのかわからないから

筌って竿のことじゃ?

違うでしょ

竿なら竿でよくない?

それもそうだな

古い言葉にありがちな「それは何?」で戸惑うパターンです。

「魚を得て筌を忘る」の意味や使い方など、解説します。

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「魚を得て筌を忘る」とは

「魚を得て筌を忘る」の意味は、

目的を達成してしまうと、それまで役に立ったものを忘れてしまうことのたとえ。

新明解故事ことわざ辞典

とあります。

ほら、やっぱりそうだよ

筌は魚を釣るときの道具だから

竿のことなんだよ

そうかなぁ・・・・

違います。

筌(せん)とは、魚を捕るための道具ですが、竿ではありません。

水中に沈めて魚を捕るためのかごのことなんです。

筌の読み方は「せん」または「うえ」です。

仕掛けて魚を捕る方法なので、「やな」と呼ぶこともあるそうです。

いずれにしても、竿も筌も魚を捕るための道具なので惜しいですけどね。

「魚を得て筌を忘る」の使い方

「魚を得て筌を忘る」の使い方をいくつかの例文で見てみましょう。

例文①

父

ママが欲しがってたベランダ用の椅子

DIYで完成させたよ!

母

あら、すごいじゃない

パパって器用なのね

父

まあね(照)

母

でも、最後が残念ね・・

工具が放ってあるわよ

父

ああ、しまった

これがないと何も作れないんだった

母

魚を得て筌を忘るね・・

この例文は、道具などの物に対しての使い方です。

例文②

上司
上司

今回の契約が成立してよかったな

君の努力のおかげだよ

部下
部下

ありがとうございます。

とても苦労しましたが

何とか最後は上手くいきました

上司
上司

君の頑張りが最大の要因だと思うが、

チームのみんなの支えを忘れてはいけないよ

部下
部下

あ・・もちろんそうです

私だけでは成し遂げらませんでした

上司
上司

そうだね

「魚を得て筌を忘る」になっては

チームを引っ張っていけないから

部下
部下

はい、チームで祝杯をあげます

このように、道具に対してだけではなく、人物に対しても使える言葉です。

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類語

「魚を得て筌を忘る」と同じような意味の言葉は他にもいくつかあります。

「のど元過ぎれば熱さ忘れる」は聞く機会も多いのではないでしょうか。

飲み込んでしまえば、火傷しそうな熱さも忘れてしまうという意味です。

「雨晴れて笠を忘る」「雨止んで傘を忘れる」は、雨が降っていなければ役に立たない傘をたとえています。

ほんとに、雨が上がると傘を忘れる人は多いですしね・・。

「暑さ忘れて陰忘る」は、真夏の暑い最中は陰がとてもありがたかったのに、暑さがおさまれば陰のことなど忘れてしまうという意味です。

まとめ

「魚を得て筌を忘る」という言葉があるのは、人間というのはいかに身勝手な生き物だということをあらわしているのでしょうね。

今だけよければ、それまで役に立ったものを忘れてしまう。

それは誰にでも身に覚えがあるのではないでしょうか。