「手加減の独り舌打ち」ということわざを聞いたことがありますか?
あまり使われることがないので、聞いたことがある人はかなり少なく、さらに意味を理解している人はもっと少ないでしょうね。
今回は「手加減の独り舌打ち」について意味や使い方などをご紹介します。
「手加減の独り舌打ち」とは
「手加減」というのは、相手に合わせて本来の実力を抑えて勝たせてあげるという意味で使われることが多いですが、もっと広い意味があります。
手加減とは、物を扱うことのコツという意味なので、わざと力を抑えて勝たせてあげることだけが手加減ではありません。
上手く扱うためのコツなので、必ずしも相手のために力を抑えることではありません。
そして、「舌打ち」ですが、悔しい時などに「チッ」と舌打ちすることだけではなく、美味しいものを食べた時に、思わず舌鼓を打った時のことも舌打ちというので、行儀が悪く、マナー違反の失礼な舌打ちだけではないのです。
以上のことを踏まえて、「手加減の独り舌打ち」の意味を調べてみました。
「手加減の独り舌打ち」とは、
自画自賛すること。
自分で料理をして、味を加減しながら作ったものを食べて舌鼓を打っていること。
人の味の好みなど気にせずに、自分だけが美味しいと感じて満足していること。
このような意味があります。
「手加減の独り舌打ち」に似ている言葉
「手加減の独り舌打ち」に似ている言葉には「手前味噌」があります。
たぶん、手前味噌の方が一般的に知られていると思います。
自画自賛すること、自分や身内を自慢することを手前味噌と言いますが、「手加減の独り舌打ち」とは違う使われ方をします。
「手前味噌でお恥ずかしいですが・・・」
「手前味噌で恐縮なのですが・・・」
このように、相手に対して自慢になってしまうことをことわってから話す時に使うことが多いですよね。
「手加減の独り舌打ちで恐縮ですが・・・」とは言いませんから、同じ自画自賛でも印象的には手前味噌の方が謙虚に感じます。
「手加減の独り舌打ち」の使い方
例文で見てみましょう。
「今日は僕が夕飯を作るからね」
「楽しみ」
「おまたせ。僕のこだわりのパスタだよ」
「美味しそう。いただきます」
「どうぞ、召し上がれ」
「・・・・。」
「どう?美味しいでしょ」
「食べたことない味でしょ」
「こだわっているんだね」
後日・・・。
というわけで、頑張って完食したのよ。
頑張ったね。味音痴なの?そういう彼氏だと食べ物のことで苦労するかもね。
自分で作りたがるのは困る。「手加減の独り舌打ち」は勘弁して欲しいなぁ。
こういう彼氏のことを「手加減の独り舌打ち」というのしょう。
その場では伝えられなくても、彼氏の愚痴を友達に話す時に使えることわざです。
まとめ
「手加減の独り舌打ち」は、自画自賛という意味でもありますが、手前味噌のように使える言葉ではないので、使い方が難しいのですね。
だからあまり聞かないのでしょう。
「手加減」と「舌打ち」というそれぞれの言葉の意味も、狭くなっているので、どんどん使われなくなりそうです。