「おおわらわ」というと、どんな状態が頭に浮かびますか?
パニック状態!
てんやわんや!
まあ、そういう感じですよね。
「大慌て」と誤用しやすいのですが、語源を調べてみると違う意味であることがわかります。
おおわらわは「大童」と書きます。
大きい童(わらべ)と書くのはなぜなのか、その由来を探ってみました。
おおわらわ(大童)の意味とは
大わらわの意味は
戦闘に備え、兜を付ける場合の髪型。もとどりをといた乱れ髪の意
①髪を振り乱して奮戦する形容。
②なんふり構わず仕事に打ち込む様子。
新明解国語国語辞典
このように、おおわらわの意味は、てんやわんや、てんてこ舞い、パニック!という表現に通じると思います。
ただ、意味を調べてわかったのは、髪型が関係していること。
これが語源につながるようです。
おおわらわ(大童)の語源
おおわらわは「大童」と書きますが、語源を調べてみると、もともとは「大破髪」と書いたと言われています。
破髪とは、髷を結わずに髪を下した状態のことです。
髷を結う前の幼い子どもの髪型のことを破髪(わらわ)と呼ぶことがあったのです。
大人が髷をほどいて髪を下ろして破髪にすることは滅多になくて、それは戦のために兜をかぶるために髪を下すときでした。
大人が髪を下すということで、大破髪と書いて「おおわらわ」と呼んだわけです。
子どもの髪型である破髪(わらわ)から子どもを指す童(わらべ)になり、大破髪から大童になったという説があります。
いずれにしても、髪型から由来になったことは間違いないようです。
おおわらわ(大童)の類語
おおわらわ(大童)の類語にはどのような言葉があるでしょう。
てんてこ舞い
休む間もなく忙しく動き回っている様子です。
てんてこはお囃子のことで、お囃子が止む間もなく舞い続けることから忙しく動き回る様子をあらわす言葉として使われています。
きりきり舞い
とても忙しく立ち回る様子です。
独楽がきりきりと回る様子が由来です。
てんやわんや
てんやわんやは関西地方でよく使われます。
手に手という意味の「てんでん」という言葉と、めちゃくちゃという意味の「わや」がくっついて生まれた造語が語源だと言われています。
複数の人が忙しく立ち回っている様子のことです。
まとめ
おおわらわを大童と書く意味は、子どもの髪型が由来だったのですね。
今の時代には髷を下して戦うことはないので、その意味を調べてもピンとこないかも知れませんが、戦国時代のドラマや映画を観ると、武士がちょんまげを解いて兜をかぶる様子が時々見られるので、それを想像するとわかりやすいのではないでしょうか。