「泥縄」という言葉があります。
あまり日常会話で使うことはないかも知れませんね。
泥で作った縄?
泥のついた縄じゃない?
残念ながら、どちらも不正解です。
「泥縄」とはどういう意味なのか、どういうときに使うのか、また語源についてもまとめてみました。
「泥縄」の意味と語源
「泥縄」の意味とは
「どろぼうを見て縄をなうの意」
事が起こってから、あわてて対策を考えること。
新明解国語辞典
このように書かれています。
ちょっと何言ってるかわからない
わかりにくいわよね
たしかに、泥棒を見て縄を作り始めることが、事が起きてから慌てて対策を考えるという意味になるのは、少しわかりにくいですね。
泥縄の語源は、「泥棒を見て縄をなう」ですが、ここからより具体的な使い方を見ていきましょう。
「泥縄」の使い方
「泥縄」という言葉は、「泥縄式」とか「泥縄的」のような使い方をすることが多くなっています。
使い方の例文です。
例文①
どうしたの?
念入りにうがいしているけど
あ・・・
いや。。。
ちょっと喉が痛くて
えええ!
風邪が流行ってるから
喉が痛いだけ?
じつは
少し寒気もするんだ
その段階で
しつこくうがいしても・・
泥縄的だわね
油断してたかな。
うがい手洗いは
ちゃんとしないと
いけないよね・・
すでに風邪のような症状があるのに、予防のためのうがいをあわてて念入りにするのは、泥縄的なのです。
例文②
すみません先輩
ちょっと相談が・・
はい、どういう相談?
じつは今から取引先に行くのですが、
手土産を何にしようかわからなくて。
途中で調達するつもりですが、
何がいいですかね・・
その取引先って
まさか新規の契約の?
はい、その通りです
え・・・
今から考えるの?
そうです!
そんな泥縄式なことで
大事な新規契約の交渉が
うまくいくかな・・
手土産って
社交辞令的なものでは?
いやいや~
できる営業マンは
担当者の好みを事前にリサーチして
がっちり心をつかむ準備してるよ
事前準備をせずに、行き当たりばったりのような対策をするのも泥縄式ということでしょう。
類義語
「泥縄」はあまり会話の中では使わないかも知れませんが、以下のような類義語はよく見聞きします。
「一夜漬け」は試験勉強などでよく使いますね。
「付け焼刃」は、その場しのぎ、一時的な間に合わせという意味で、事前にしっかり準備できていないことを言います。
「俄か仕込み」は、一夜漬けと同じように、その時だけの急ごしらえという意味です。
まとめ
泥縄を見つけた時、素早く捕まえて縄で縛るためには、予め縄を準備しておかないといけません。
その場に偶然、縄があるというラッキーパターンもありますが、そうそう上手くいかないものです。
泥棒を見つけてから、慌てて縄をこしらえるのでは逃げられてしまいます。
物事をうまくおさめるためには、事前の準備がとても大切だということを泥縄という言葉で表現しているわけです。