懇ろ(ねんごろ)と言えば、男女の親密な関係を表した言葉として使われていますね。
ほとんどの人が男女の関係のことだと理解していると思います。
最近の言葉ではないので、若い世代はほとんど使わないと思いますが、それでも聞けば意味は理解できるのではないでしょうか。
ところで、この「懇ろ」の意味は1つではないのをご存知ですか?
男女の仲に限った表現ではないのです。
そこで「懇ろ」の語源や意味について解説したいと思います。
「懇ろ」の意味とは
「懇ろ」とは、
男女が親しくなり、打ち解けた付き合いをすること。
という意味があります。
これは大半の人がそう思っていますね。
ですが、この意味だけに限定されるわけではありません。
「懇ろ」には、
心を込めて、親切に扱うこと。
という意味もあるのです。
このような意味があったとは、知らない人も多いのではないでしょうか。
男女の親しい仲のことを表す言葉としてしか知らない人に対して、心を込めて大切に扱うこととして「懇ろ」という言葉を使うと、妙な空気になってしまいます。
あまり広く知られていないので、使う相手によっては気をつけないといけませんね。
「懇ろ」の語源
「懇ろ」は、古語の「ねもころ」が時の流れによって変化した言葉です。
「ねもころ」から「懇ろ(ねんごろ)」に変化した理由はわかっていませんが、長い年月をかけて変化してきたのでしょう。
「懇ろ」の意味は、心を込めて親切に扱うことが始まりの言葉だったのですが、徐々に男女の親しい仲を表す言葉として定着していったと考えられています。
「懇ろ」の使い方
「懇ろ」は、男女の仲のこととして広く知られるようになった理由は、この言葉の読みが原因だと思われます。
「懇ろ」は「ねんごろ」と読みますから、「寝んごろ」のことだと思ってしまうからでしょう。
つまり、男女が親密になり、横になってゴロゴロする様子を表していると想像できるからです。

あの二人、最近やけに仲が良いよね。

この前の社員旅行から急接近したみたい。

あの様子じゃ、すでに懇ろ(ねんごろ)の間柄だよ。
このような使い方をする人がほとんどなので、本来の意味では使われなくなってしまったのでしょう。
ほとんどの人が「男女の親密な関係」のことと認識しているので、「心を込めて・・」という意味で使うのは難しくなっているようです。
まとめ
「懇ろ」の2つの意味はどちらも間違いではないのですが、男女間のことばかりが広まってしまったので、心を込めて親切な対応をする様子として使い難くなってしまいました。
本来の意味が使い難くなってしまったので、誤用が定着した言葉とも考えられますね。