同じ読み方でも、意味がはっきりと違う言葉もあります。
たとえば「大会」と「退会」と「大海」はすべて同じ読み方ですが、意味は違います。
文字で見れば違いはすぐにわかります。
前後の文脈でも意味は判別できるので、さほど困ることはないでしょう。
しかし「個別」と「戸別」は読み方も同じですし、意味も同じような?という感じで正しく違いを理解して使い分けている方は少ないのではないでしょうか。
前後で判別しにくい言葉でもあるため、知らず知らずのうちに間違えているかも知れません。
「個別」と「戸別」の違いを理解して、正しく使い分けられるようにするためのポイントを見てみましょう。
【個別】とは
「個別」とは、ひとつひとつ、それぞれ、別々にすることです。
たとえば・・
【個別学習】や【個別指導】のように、集団ではなく個人単位で行うという意味です。
学習塾などでは、複数が同時に学習する方法もあれば、個人単位で学習することもあるため「個別」とわかりやすくしているのでしょう。
ほかには「個別に交渉する」「個別に相談する」「個別に伝えている」など。
【戸別】とは
「戸別」とは、一軒一軒の家のことです。
アパートやマンションなど、集合住宅のそれぞれの家ごとが戸別です。
ちょっと曖昧なのが戸別=世帯という使い方です。
一軒の家の中に暮らしている家族だとしても、同じ世帯とは限らず、世帯を分けているケースもあるため、ややこしく感じます。
難しくなるので、戸別は一軒の家単位として考えた方がわかりやすいですね。
【個別】と【戸別】を使い分ける
「個別」と「戸別」を使い分けるポイントは、「人」と「家」です。
(商店、工場、会社なども戸別に含みます)
たとえばある特定の個人に面談するために訪問する場合は「個別訪問」です。
特定の個人ではなく訪問する場合は「戸別訪問」です。
「個別訪問」と「戸別訪問」
「個別相談」と「戸別相談」
「個別指導」と「戸別指導」
どちらかわからないようなケースでは、やはり前後の文脈で判断するしかないので会話の中で迷った場合は「一個人に対してでしょうか」などと確認するしかないでしょうね。
まとめ
「個別」と「戸別」は、まったく同じ読み方というだけではなく、「人」と「家」という違いが判断できないようなケースもあるためややこしさ倍増です。
正しく違いを理解して使い分けられている人の方が少ないのかも知れません。
間違えていても、指摘されることもなければ、違いを知ることもありませんよね。
些細なことですが、頭の片隅に置いておいても邪魔にはならないと思います。