【渋柿の長持ち】とはどんな意味?言葉の由来や類語などを解説!

ことわざ・慣用句

「渋柿の長持ち」という言葉にはどんな意味があるのか知っていますか?

渋柿と言えば、渋味が強いので、そのままではとても食べられない柿のことです。

見た目に熟して甘そうに見えても、渋味が強すぎるのです。

渋柿の渋味の正体は柿タンニンといえば、ポリフェノールの一種です。

消臭のための石鹸や体臭スプレーなどに使われるほど、強い抗菌、消臭パワーを持っている成分です。

そんな強いパワーを持っている成分が含まれる渋柿なので、長持ちするという単純な意味ではありません。

「渋柿の長持ち」の意味について、詳しく見ていきましょう。

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「渋柿の長持ち」の意味

「渋柿の長持ち」は

取り柄のない人や悪い人が長生きすること

という意味の慣用句です。

渋柿は、そのままでは渋味が強くて食べられません。

そのため、枝からとって食べる人もないので、長く枝に残るからです。

また、渋柿は熟しても実が崩れにくいという特徴があります。

甘柿は実が熟すと実が崩れやすく、枝から落ちてしまうので、熟す頃には人や動物がとって食べるのですぐになくなってしまいます。

同じようみ見える柿でも、甘柿と渋柿では長持ちの度合いが全く違うのです。

そのような大きな違いがあることが人々に知られているので、「渋柿の長持ち」のような慣用句にたとえられるようになったのでしょう。

「渋柿の長持ち」の類語

「渋柿の長持ち」と同じように、取り柄のない人や悪人ほど長生きするという意味の言葉は、他にもあります。

まずい物の煮え太り

「まずい物の煮え太り」とは、美味しくない物にかぎって、煮ると水分をたっぷりと吸って膨れて増えたように見えることをたとえています。

つまらないものほど量が多くなることを表しています。

憎まれ子世に憚る

「憎まれ子世に憚る(はばかる)」は、幼い頃には大人を困らせるような子ほど、大人になると出世して世間で幅をきかせるような存在になることをたとえています。

また、人から憎まれても平然としていられるような者は、周りの人を蹴落としても出世するという意味でも使われています。

呪うに死なず

「呪うに死なず」とは、人から呪われるような人物は、強かでありずる賢く生き抜くので、容易く死なないという意味です。

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渋柿の渋味が消える理由

「渋柿の長持ち」という慣用句ができるほど、渋柿の渋味は強烈なのでしょう。

ですが、渋柿も干し柿にするなど手を加えれば美味しく食べられます。

渋柿の渋味の正体である柿タンニンは、じつは甘柿にも同じように含まれています。

ですが、甘柿に含まれている柿タンニンは水溶性ではないので、口に入っても渋味を感じないのです。

甘柿には、小さな黒い点々があるのですが、それが柿タンニンです。

一方の渋柿に含まれているのは、水溶性なので水分に溶けて口の中に渋味が広がるわけです。

干し柿にして水分を抜いたり、数日間冷凍するなど手を加えれば、甘くて美味しい柿になるのですよ。

同じ柿なのに、なぜそんな違いがあるのか不思議ですよね。

まとめ

「渋柿の長持ち」と言われるような人にはなりたくないとつくづく思います。

ですが、渋柿の渋味のポリフェノールは、過酷な環境で行き抜くために備わった成分だと言われています。

そう考えると、自分を守るための渋味なので、何の取柄もない人のたとえに使うのは、ちょっと申し訳ないような気もしますが、干し柿を美味しくいただいて許してもらいましょう。