【たこは身を食う】とはどんな意味のことわざなの?

ことばの雑学

「たこは身を食う」ということわざを聞いたことがありますか?

たこは海の生物の蛸(たこ)のことです。

このことわざは蛸(たこ)の生態から生まれたと伝わっています。

どのような意味があるのか、その由来や使い方などを解説しましょう。

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「たこは身を食う」とは

「たこは身を食う」とは、

預貯金、財産、資産を食いつぶしながら生きている。

という意味のことわざです。

このことわざの由来は、蛸という生き物は空腹になると自分の足を食べるという俗説から生まれたものです。

蛸の足は8本もありますから、1本くらいなら食べても問題ないのかも知れませんが、ほんとうに自分の足を食べるというわけではなく、そういう俗説から生まれたことざです。

この「たこは身を食う」ということわざから「蛸配当」という言葉も生まれています。

蛸配当というのは、株式会社が株主に対して、ほんとうは利益がないのに利益があるように見せかけて配当をすることです。

粉飾決済をして、本来は利益がないのに見せかけるのですから、ルール違反です。

「たこは身を食う」から投資の世界に使われる言葉まで生まれたのですね。

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たこはホントに身を食べる?

「たこは身を食う」ということわざが生まれたのは、蛸がホントに空腹に耐えかねると自分の足を食べるということではなさそうです。

蛸の足は8本ありますが、足が切れても再生するのです。

蛸が敵に狙われた時に足に食いつかれてちぎれてしまっても、そのまま逃げれば命は助かります。

その後に足は再生するので、命を守るためなら足の1本くらいは失っても問題ないのでしょう。

そういう生態があるので、足が切れた蛸を捕獲することもあったでしょうから、自分の足を食べるという俗説が生まれたのだと考えられます。

また、一般的に蛸の足と呼ばれている部位は機能的には腕だという説もあります。

蛸の足が切れて再生する時には、2本に分かれて再生することもあるそうです。

8本以上の足のある蛸がいるのは、再生して分かれた痕跡があるというわけですね。

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「たこは身を食う」の使い方

「たこは身を食う」の使い方を例文で見てみましょう。

店を開けててもお客さんも来ないな。

コロナ騒ぎが落ち着くまでは閉店した方がいいわよ。
店を開ければ仕入れもしなきゃいけないし。

そうは言っても、閉めれば収入ゼロだぞ。

でも開けてても赤字になるなら閉めた方がマシでしょ。

店の家賃も払わなきゃいけないのに、どうしたらいいのか。

 

たこが身を食うように貯金を切り崩しながら節約するしかないでしょ。

それがいつまで続けられるのか・・。

今はそれしか方法がないんだから、しばらく我慢しましょう。

新型コロナウイルスの影響は、飲食店などを営む人たちには大打撃だったはずです。

「たこは身を食う」ような思いで耐え忍んだ方たちも、いつまでそれに耐えられるのか不安ですよね。

そのような大変な状況を資産や財産を切り崩して生き延びる様子を伝える時に使います。

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まとめ

蛸がホントに自分の足を食べるのかどうかわかりませんが、足が切れても再生するのならいいですよね。

「たこは身を食う」のように財産や資産を食いつぶしてしまっても、その後に再生してくれればいいのに・・って思いますね。