【舌先三寸】と【口先三寸】ではどちらが正しい?間違えやすい理由!

ことばの意味

「舌先三寸」と「口先三寸」は同じ意味だと思いますか?

そもそも、この2つの言葉のうち1つは誤用という可能性について、考えたことはあるでしょうか。

私は正直言って、よく考えずに使っていました。

「舌先三寸」と「口先三寸」には、それぞれに意味があるのか。

それともどちらかは誤用なのか調べてみました。

間違えやすい理由や、正しい使い方についてもチェックしてみましたので、興味のある方は参考にしてください。

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「舌先三寸」と「口先三寸」

「舌先三寸」と「口先三寸」は、それぞれに意味がある別の言葉ではありません。

「口先三寸」は「舌先三寸」の誤用なのです。

「舌先三寸」とは、心がこもっていない言葉。

または中身のない言葉という意味です。

「舌先三寸」の由来は、舌の先を少し動かすだけで人を丸め込む様子を「舌三寸」と言っていたからです。

江戸時代は「舌三寸」を使っていて、それ以降に「舌先三寸」に変化しました。

舌先の三寸ほどを動かすというのが、この言葉の語源です。

実際に人間の下の長さから考えると、三寸という長さはあまり関係ありません。

三寸という単位は、「ほんの短い舌先」という意味で使われたようです。

それにしても、「舌先三寸」という言葉を間違えて「口先三寸」と言っている人が、じつに半数以上もいるというのは驚きです。

2011年の調査では、「舌先三寸」を使う割合は24%に対し、「口先三寸」を使う割合は57%です。

しかも、高い年齢層の方が「口先三寸」を使う割合が高いという不思議な現象も起きています。

誤用されやすい理由

「口先三寸」という言葉は、誤用なのに「舌先三寸」よりも認知度が高く、すでに逆転しています。

前述にもありますが、年齢が高い人ほど「口先三寸」を使うのも、謎の減少です。

なぜそこまで誤用が広まったのか、その理由を考えてみると、「舌先三寸」の意味を説明には「口先」が使われることが多いからではないでしょうか。

「舌先三寸」は、心のこもらない口先だけの言葉のことです。

口先だけの言葉から、口先と舌先がゴチャゴチャになって「口先三寸」になってしまったのではないかと推察します。

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正しい使い方

「舌先三寸」の使い方を例文で見てみましょう。

先輩はいつもキレイだけど、今日はまたより一層美しいですね

そんな舌先三寸の褒め言葉は信じないぞ!

ひどいな、ほんとにそう思ってますって~

口先だけの言葉を意味する類語

「舌先三寸」のように、口先だけで心がこもっていないことを表す言葉を探してみると、似たような言葉はいくつか見つかりました。

「歯が浮くような」

たとえば「歯が浮いたような」とか「歯が浮くような」というのも、いかにもお世辞だとわかるような言葉を聞いたときに、ムズムズして居心地の悪さを感じるという意味です。

「取ってつけたような」

「取ってつけたような」とは、不自然でぎこちない様子なので、「舌先三寸」とは少し違います。

ですが、わざとらしい様子にも使うので、いかにも心のこもらないわざとらしい様子という意味では、重なる部分もあると思います。

まとめ

「舌先三寸」の誤用である「口先三寸」を当たり前に使っていた人は、これから気を付けましょう。

私も普通に「口先三寸」を使っていたと思うので、これからは間違えないようにしないといけませんね。