「あとの祭り」という言葉は、年代を問わず使われます。
「今さら言ってもあとの祭りだ」というように、後悔しているけどどうしようもないという意味で使う人が多いでしょうね。
この「あとの祭り」という言葉の意味は、正しいのでしょうか。
それに、「あとの祭り」とは何が語源なのか。
疑問を探ってみました。
興味のある方は、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
「あとの祭り」の意味
「あとの祭り」の意味は、
機を逸してどうしようもないこと。
手遅れ。
という意味です。
一般的に理解されている意味と大きな違いはありませんね。
ただどうしようもない状態ではなく、次期を逃して手遅れ状態を「あとの祭り」の意味なのです。
「あとの祭り」の語源
「あとの祭り」の意味から考えると、なぜ「祭り」が使われているのか不思議に思う人もいるでしょう。
祭りというのは、現代でもそうですが、日常とは少し違う雰囲気になります。
楽しい祭りに間に合わないことは、とてもショックなことだから、手遅れでどうしようもないという意味の慣用句になったという考え方もできます。
ですが、語源とされているのはホントの祭りでした。
「あとの祭り」の語源と言われているのは、京都の八坂神社の祇園祭です。
日本有数の祭りです。
祇園祭の起源をさかのぼると、1000年以上も昔です。
ですが「あとの祭り」という言葉の語源とされているのは、現代にも続く祇園祭のカタチになった明治時代と言われています。
祇園祭は毎年7月に行われますが、期間は2日です。
1日目は前の祭りと呼ばれていて、山鉾巡幸という。
祇園祭を目的とした観光客は、ほとんどが前の祭りの山鉾巡幸を見物するのです。
2日目は後の祭りと呼ばれていて、前の祭りと比べるとかなり地味なのです。
祇園祭を見物するために京都観光に行ったのに、2日目しか見られないのはハッキリ言えば「つまらない」のです。
それが「あとの祭り」の語源になったと言われているのです。
2日目の祭りに行っても、祇園祭を見物するという目的には間に合わなかったということ。
2日目の祇園祭に間に合ったとしても、それはもう「後の祭」なので手遅れでどうしようもないということから、慣用句として「あとの祭り」が広まっていったと言われているのです。
祇園祭という具体的な祭りが、慣用句の語源になっていたのですね。
「祭りのあと」との違い
「あとの祭り」にとても似ているので、間違えそうになるのが「祭りのあと」です。
「祭りのあと」とは、にぎやかで楽しかった祭りが終わった後の侘しさから、楽しい事のあとの静けさや侘しさを表す慣用句です。
「あとの祭り」が具体的な祇園祭が由来なのに対して、「祭りのあと」は祭りというみんなが思い描く様子を引き合いに出したので、具体的な祭りが由来ではないのです。
まとめ
手遅れになった時に、「祭りのあと」と自然に使っていますが、まさか具体的なお祭りが由来だったとは知らずに浸かっている人が大半だと思います。
京都府民にとっては、もしかしたら当たり前の常識なのかも知れませんね。