「口がうまい」「口が回る」「口が悪い」など、話すことに関する表現として「口」が使われます。
言葉は口から発するので、それはとくに疑問には感じません。
ただ、「口」に続く表現は違っても、話すことに使われる時には、あまりポジティブな意味で使われることが少ないような気がします。
「口が悪い」となれば、そのままズバリなのでわかりやすいですが、「口がうまい」や「口が回る」となると、褒めているのか皮肉のつもりなのかわかりません。
他にも「口が立つ」や「口が達者」など、同じようにあまり前向きな意味で使われない言葉もあります。
今回は「口」にまつわる表現を、前向きに言い換えてみようと思います。
口がうまい
君は口がうまいね
もしも自分がこう言われたら、
嬉しいです。
ありがとうございます。
と素直に喜べるでしょうか。
「口がうまい」とは話し方や言葉で、人を巧みに丸め込むという意味で使われることがあります。
ただ話し方が上手という意味で使うことは、あまりないように思います。
お話が上手な人には、「人の心を掴む話し方」とか「説得力のある話し方」というような表現の方が、前向きな印象を与えるのではないでしょうか。
「口が達者」も同じく、口先で人を言いくるめるような意味で使われることがありますから、誤解されないようにしたいですね。
口が回る
「口が回る」とは、よどみなくスラスラとしゃべる様子を表しています。
悪い意味ではないのですが、受け取り方によっては、「おしゃべり」とか「口数が多い」とも受け取れます。
とても滑舌がよく、流暢に話す人に対しては「口が回る」という表現は、ストレート過ぎるのかも知れません。
もう少し違う言い方に変えてみましょう。
たとえば、「能弁」「饒舌」「弁活に優れた」「話術に長けた」という表現であれば、口数の多いおしゃべりな人という誤解は避けられると思います。
「口が立つ」も「口が回る」と同じ意味です。
あの人は口が立つから、いつも言い負かされるよ
というような使い方をすることが多いので、使う場面を選んだ方が良いですね。
口が悪い
「口が悪い」とは、言葉使いが悪いという意味で使われることが多いですよね。
ですが、ただ言葉が汚いというわけではなく、思ったことを包み隠さず口に出すことという意味でもあるのです。
あの人は口が悪いから、耳が痛いこともズケズケ言うんだよね
このような使い方もするのです。
ですが、どうしても言葉が汚いという意味の方が強いので、言われて良い気分になる人はほとんどいないでしょう。
では、思ったことを正直に言う人に対して、前向きな言葉を考えてみました。
「飾らない語り口」とか「素直に話す」「ストレートな話し方」という表現であれば、嫌な気持ちにはならないのではないでしょうか。
まとめ
どんな言葉でも、受け取り方によってはネガティブにもポジティブにもなります。
相手がどう受け止めるのかによって、意図しない誤解を生むのは困りますよね。
できるだけ前向きな言葉選びができるように、言い換え候補を考えてみましょう。