友達や知人など、大切な人たちの健康を心配する日々が続くご時世なので、電話やメールなどでお互いの体のことを気にかける言葉を使う機会が増えています。
「体を壊さないように~」や「体調を崩さないように~」など。
挨拶代わりに健康を気遣い合うような日々なので、よく使う言葉のチェックをしてみましょう。
たとえば「体調を崩す」と「体調を壊す」です。
この2つの言葉は、文字にしてしまうと間違えやすいので注意が必要です。
「体調を崩す」と「体調を壊す」について解説します。
「体調を崩す」が正しい
「体調を崩す」と「体調を壊す」は、どちらも正しいわけではなく、「体調を崩す」が正解です。
体調というのは、体のコンディションやリズムのことを表しています。
読んで字のごとく、体の調子のことですね。
「壊す」という言葉は、機能が使えなくなることを意味するので、「体調を壊す」のはおかしな言葉になってしまいます。
「体調」は壊れるではなく崩れるのが正しいので、間違えないようにしましょう。
「体を壊す」という言葉とゴチャゴチャになってしまうと「体調を壊す」という間違った表現を使ってしまうのです。
「体調を崩す」と「体を壊す」をごちゃ混ぜにしないように注意しましょうね。
「体」と「身体」の違いとは
「体調を崩す」と「体を壊す」など、健康状態については「体」という文字を使います。
ですが、同じ「カラダ」と読むのに「身体」と書くこともありますよね。
「体」と「身体」の違いは何なのでしょか。
健康を気に掛ける時に「お体に気を付けてください」なのか「お身体に気を付けてください」なのか、どちらが正しいのか調べてみました。
「体」とは
「体」は肉体のことです。
そして、肉体とは人体に限らず動物も含まれます。
「身体」とは
「身体」とは人間の体と心のことです。
精神面も含めて、人の全身のことを表すのが「身体」なのです。
犬や猫の健康について「愛犬の身体が心配で」とか「飼い猫の身体のことを考えて」というのは正しくないので注意が必要です。
「体」と「身体」を使い分け
「体」と「身体」の違いの一番のポイントは、人間以外の動物も含めた肉体か、人間の心身のことなのかです。
たとえば、「お体に気を付けてください」といえば、病気やケガを心配することです。
そして「お身体に気を付けてください」とは、病気やケガだけでなく、相手の心のことも気にかけていることなのです。
使い分けるポイントとしては、何か精神的にストレスを感じているようなことが心配される相手には「身体」を使うと、体だけじゃなく心の面も気を付けて欲しいという気持ちを表すのです。
「躰」という文字は?
「体」と「身体」の他にも「躰」という文字もあります。
「身体」を合体させたような文字なので、ちょっとややこしいのですが、「躰」は「体」と同じです。
一般的には使うことは滅多にないので、間違えることはないでしょうね。
まとめ
「体調を崩す」というつもりが「体調を壊す」になってしまうのは、文字だけ見るとあまり違和感がないからなのかも知れません。
言葉として口に出してみると、体調の後に続くのは「壊す」ではなく「崩す」じゃないとオカシイと気が付くのではないでしょうか。
言葉選びに困った時は、文字で見るだけではなく、音として発してみるのも1つの方法ではないでしょうか。