「人間が枯れる」とはどんな意味だと思いますか?
「枯れる」という言葉から想像すれば、人間が年齢を重ねて老いて行く様子を表した言葉のように感じますよね。
そのままの意味として使っても良いものかどうか、自信を持って使えない人もいるのではないでしょうか。
今回は「人間が枯れる」の意味や使い方について解説しましょう。
「枯れる」という大和ことば
木々や草花が枯れていくことと、人間が年老いていくさまが重なるので、老化を表現する言葉として「枯れる」が使われることがあります。
ですが、ここでの「枯れる」とは人や芸や技などに対しての表現です。
大和ことばとして、古くから使われているので、そのままの意味として使えば、言われた方はいい気分になれないですが、大和ことばで「枯れる」では違う意味になります。
「人間が枯れる」とは
「人間が枯れる」とは、
人として気取りや無駄がなくなり、円熟味が増している。
という意味があります。
「人間が枯れる」では、人格に対して使います。
「芸が枯れる」という使い方もします。
「芸が枯れる」というのは、芸に円熟味が増して、味わい深くなるという意味なので、芸や技に対する褒め言葉なのですね。
「枯れる」という言葉にそのような意味があると知らなければ、「人間が枯れる」とか「芸が枯れる」と言われても喜べません。
ですが、人として円熟しているとか、芸や技に深みが増すという意味があると知れば、とても嬉しい褒め言葉になるでしょう。
「枯れる」に似ている言葉
「人間が枯れる」など、円熟したことを表す大和ことばは他にもあります。
「熟れる(こなれる)」は「枯れる」と似ています。
「熟れる」とは、知識や技や芸をしっかり習得していて、上手く扱えるようになったことを意味しています。
「枯れる」と比較すると、未熟だった者が成長したことです。
「枯れる」と表現する前の段階の言葉として「熟れる」を使った方が良いでしょうね。
「枯れる」の使い方
大和ことばとして古くから使われる「枯れる」の使い方を例文で見てみましょう。

今度の日曜日に久しぶりに寄席に行かないか?

いいわね、久しぶりだわ。

前座の頃から見てたあの噺家がいよいよ真打になるんだって。

もう真打なんて、すごいわね。

どれほど芸が枯れたのか、聞くのが楽しみだ。
このような使い方をします。
まとめ
「枯れる」といえば、水分を失って干からびてしまう様子をイメージするので、まさか人格や芸が円熟して無駄がなくなり、味わい深くなるなんて意味だとは思ってもいない人もいるはずです。
古くから使われる大和ことばですから、使いこなせるとカッコ良いと思います。