「交代」と「交替」は、どちらも入れかわることを意味しています。
「入れかわり」も「入れ代わり」と「入れ替わり」があるのですが、同じ意味なのになぜ使われる漢字が2つあるのか不思議です。
「交代」と「交替」は、違う意味なのでしょうか。
この2つの言葉の違いや、使い分けるポイントについて解説しましょう。
「交代」と「交替」の違い
「交代」と「交替」は、同じ意味として使われており、違いはありません。
どちらを使ったとしても、間違いを指摘されることはないようです。
マスコミでは、「交代」を使うように統一しているようですから、一般的には「交代」を使うことが多いのではないでしょうか。
新聞や雑誌、テレビの字幕などでは「交代」を使っているはずです。
どちらを使っても間違いではないのですが、やはり2つの文字で表記されることがあるのですから、使い分けるルールがあるのでしょう。
絶対に「交代」じゃなければダメ!とか「交替」を使うのは間違い!というわけではないので、あまり厳しく考える必要はありません。
なぜ2つの「交代」と「交替」があるのか、違いとしてあげられることだけをおぼえておきましょう。
「交代」の使い方
「交代」を使うのは、入れかわりが1回だけの場合に使います。
例えば野球の試合などでピッチャーが入れかわる時は「ピッチャー交代」です。
ピッチャーが一度マウンドを降りて、ベンチに下がると同じ試合でマウンドに戻ることはありません。
だから「ピッチャー交代」と言います。
政権を担う政党がかわる時も政権交代です。
政権交代に関しては、一度だけとは限らないのですが、そうそう起こることではないので「交代」を使います。
もしも「立場を入れかわる」時に「交代する」となれば、もうその立場に戻ることはないという意味になります。
「交替」の使い方
「交替」を使うのは、何度も入れかわる場合です。
例えば、職場などでシフト交替とか、当番制の交替勤務など。
確実に入れかわる順番が決まっている場合は「交替」を使うとおぼえておけばわかりやすいでしょう。
たとえば、24時間営業のコンビニエンスストアなどのアルバイトでは、深夜から早朝までと朝から夕方までなど、時間を割り振っています。
アルバイトの店員が入れかわる時には、「交替」を使うのが一般的です。
前述の野球の試合における「ピッチャー交代」の場合は、ベンチに下がって他のピッチャーと交代します。
しかし高校野球などでは、ピッチャーが他のポジションの選手と交替して、またマウンドに戻ることもあります。
このようなケースでは「交替」が当てはまると考えます。
子供の頃には学校の給食当番がありますが、あれは順番でかわるのが一般的なルールだと思います。
何度も当番が回ってくるので、「交替」でも良いワケです。
代・替・変・換の違い
「交代」と「交替」がどちらも入れかわりを意味しているのに、2つの文字で表すのは、「かわる」という意味にも色々あるからです。
同じ読み方であり、同じような意味なのに、使われる漢字が違うので、余計に複雑になります。
ココが日本語のややこしいところですね。
「替」は、「新品に替える」という意味で使います。
「変」は、「顔色が変わる」など、前と後で様子が違う時に使います。
「換」は、「古着をお金に換える」など、物を取りかえるという意味で使います。
このように、同じ「かわる」でも違う漢字で使い分けるのは、違う意味を表すためなのです。
ただ、変化という意味の「変わる」以外は、微妙に違うだけなので使い分けるのは簡単じゃありません。
漢字で表記する場合は、人が代わるのか、新品に替えるのか、物を取りかえるのか考えてみるとわかりやすいのではないでしょうか。
まとめ
「交代」と「交替」は、わざわざ違う漢字を使っているのですから、やはり微妙に意味が違うのですね。
はっきりとした違いがないので、どちらを使えばいいのか迷ってしまうで、統一されつつあるのでしょう。
どちらを使っても間違いとは言えないようですが、使い分けるポイントを押さえておくつもりで覚えておいても無駄にはならないと思います。
同じ読み方なのに、どう使い分けるのか、はっきりわからない言葉を理解できると迷わなくなると思います。