「金に糸目はつけない」というのは、金額に上限を設けないという意味の言葉ですよね。
景気の良い話をする時に聞くことがあります。
でも、なぜ金額に上限を設けないことを「金に糸目はつけない」というのでしょう。
この言葉の意味や語源について調べてみました。
「金に糸目を付けない」の意味とは
「金に糸目を付けない」とは、お金の使い方を表す言葉です。
惜しみなくお金を使うこと。
制限なくお金を使うこと。
これが「金に糸目を付けない」の意味です。
意味を間違えて理解している人はほとんどいないと思います。
誤用から違う意味となったわけでもないので、本来の意味のまま使い続けられる言葉です。
「金に糸目を付けない」の「糸目」とは
惜しみなくお金を使うことを表すのに、なぜ「金に糸目を付けない」というのか、その由来は「糸目」がポイントです。
「糸目」とは空に上げる凧(たこ)の付ける糸のことです。
昔はお正月になると、子供たちが凧あげをして遊んでいる姿があちこちで見られたのですが、最近はそんな遊びをする子供もあまり見かけません。
だから「糸目」が凧につける糸のことだと聞かされても、あまりピンとこない人も増えているのかも知れませんね。
凧は風に乗って空高く舞い上がった後も、糸でコントロールします。
その糸がなければ、凧は空の彼方に飛んで行ってしまうでしょう。
つまり「金に糸目を付けない」とは、糸の付いていない凧のように、どんどん上がっていく様子から、使うお金の上限を設けずに、どんどん使うことを表しているのです。
「糸の切れた凧」とは
「金に糸目を付けぬ」の由来が凧の糸だとすれば、「糸の切れた凧のよう」という表現も意味がわかりやすくなりますね。
凧は糸によってコントロールされているので、その糸が切れてしまえば、制御はできません。
どこに飛んでいくのかわかりません。
成り行き任せなこと
気の向くままに
どこに行くのかわからない
このような様子を「糸の切れた凧のよう」というわけです。
「金に糸目を付けない」の対義語
惜しみなくどんどんお金を使う様子とは反対に、必要最小限しかお金を使わない様子は、どんな言葉で表すのでしょうか。
「爪に火を灯す」は、極端にケチなことを表す言葉ですが、望んで倹約しているわけじゃなく、ひどく貧乏しているから倹約するしかないという意味でもあります。
そう考えると、「金に糸目を付けない」に対するのは、「財布の紐を締める」ではないか・・・と考えました。
「財布の紐を締める」のは、お金を無駄に使ってしまった後に後悔して気を引き締めることを表す意味でもあります。
財布の紐を締めれば、支出を最小限にできるので、倹約を表す言葉でもあります。
「金に糸目を付けない」に対して「財布の紐を締める」がしっくりするのではないでしょうか。
まとめ
「金の糸目を付けない」のは、お金の使い方を表現する言葉ですが、そんな豪快にお金を使う人が身近にいないので、実際にそういう使い方をする様子を見てみたいですね。
さぞかし気持ちが良いでしょう。
夢でもいいから、一度くらいは経験してみたいものです。