「爪で拾って箕でこぼす」という言葉を聞いたことがありますか?
聞いたことがあっても、意味はわからないという人も多いのではないでしょうか。
「爪で拾って箕でこぼす」のように、古くから使われていることわざや慣用句には、「爪」が使われている言葉がいくつもあります。
今回は「爪で拾って箕でこぼす」の意味や「爪」が使われる言葉について解説しています。
「爪で拾って箕でこぼす」の意味とは
「爪で拾って箕でこぼす」という言葉は、
長い間をかけて少しずつ苦労して集めたものを、一気に使い果たしてしまう。
という意味です。
爪では大した量のものは拾えません。
爪で拾ったものをためるのには、すごく長い時間が必要なので、苦労してためることを表しています。
そして箕とは竹で編んだ目の粗い網のようなもので、農作業する時に収穫したものを運んだりする時に使います。
爪では小さな物しか拾えないので、そんな小さなものを目の粗い箕に入れればすぐにこぼれてしまいます。
長い間の苦労によってためたものを、一度で使い果たすことを「爪で拾って箕でこぼす」というのです。
また、少ない稼ぎしかないのに、出費が多いという意味でも使われることがあります。
「爪で拾って箕でこぼす」の使い方
「爪で拾って箕でこぼす」の使い方を例文で見てみましょう。
見て見て~!
ずっと欲しかった時計をついに買ったよ!
うわ、高そうだね。
うん、安くはない。
でもね、昔からずっと憧れてたの。
そうなんだ。
就職してからずっとコツコツ貯金してついに買えた!
なんだか勿体ないみたいな気もする。
爪で拾って箕でこぼすって感じで。
たしかに、ちょっとビビったけど。
このために頑張ったんだから。
そういう目標があるのも大切なことかもね。
こういう場面はよくあるのではないでしょうか。
会話の中で自然に使えるといいですね。
「爪」を使う言葉
「爪で拾って箕でこぼす」のように、「爪」を使った言葉を他にも探してみました。
爪に火を灯す
「爪に火を灯す」という言葉は、とても貧しい生活を表す言葉として使われます。
「爪に火を灯すように生きてきた」など。
また、倹約を表す言葉としても使われます。
わかりやすく言えば、とてもケチなことです。
由来は、ろうそくを使わずに自分の爪に火をつけて明かりにすることからです。
実際にそんなことをする人がいたとは思えないのですが、そういうたとえとして「爪に火を灯す」という言葉が残っています。
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爪の垢ほど
「爪の垢ほど」とは、とても少ない量を表す言葉です。
爪の中に詰まっている垢なんて、ほじくり出してもほとんどカスのようなものです。
それほど少ないという意味として「爪の垢ほど」と言います。
ほんのわずかな量でも構わないから分けて欲しいなどとお願いする時に「爪の垢ほどでも構いませんので」などと使います。
爪の垢といえば「爪の垢を煎じて飲む」という言葉もよく耳にしますよね。
これは、優秀な人にあやかることを表しています。
ほんとに爪の垢を煎じて飲む人なんていませんが、昔から賢い人や立派な人にあやかりたいという気持ちを表す言葉として現在でもよく使われています。
まとめ
「爪で拾って箕でこぼす」は、コツコツためたものを一気に使うという意味で使うことが多いようです。
収入よりも支出が多いという意味でも使えるのは、あまり知られていないのではないでしょうか。
どちらでも間違いではないので、使えるシーンを考えてみてくださいね。