「弱冠」と「若干」はどちらも「じゃっかん」と読みます。
日常会話の中で「じゃっかん」はよく使われると思いますが、「弱冠」と「若干」のどちらのつもりで使っているのか、理解されているでしょうか。
同じ読み方なので、どちらのつもりで使っているのかハッキリ理解していないと、困ることもあるかも知れません。
言葉として発してしまえば、同じ読み方なので間違いだと気が付かれないとしても、わかっている人は気付いているでしょう。
せっかくですから、「弱冠」と「若干」の意味の違いを調べてみました。
違いを知っておいても、損はしないと思います。
「弱冠」と「若干」の意味の違いや使い分けのポイントなど、チェックしておきましょう。
「弱冠」と「若干」意味の違い
「弱冠」と「若干」と文字で見れば、まったく違う言葉というのはわかります。
ですが、読み方は同じなので、意味の違いを知らなければ、どちらのことなのかわかりません。
「弱冠」と「若干」の意味をそれぞれ見てみましょう。
「弱冠」とは
「弱冠」の意味は、二十歳前後の若い人のことです。
二十歳前後というのが曖昧なのですが、18歳~22歳くらいを指して使うことが多いようです。
4年制の大学に現役合格して、4年間の学生生活を送っている人をイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。
「弱冠」の語源
現在は「弱冠」を二十歳前後の若い人のことを表す言葉となっています。
しかし語源をさかのぼると、20歳を迎えた男子のことを表す言葉だったのです。
由来は中国の男子が20歳になると、冠をかぶって元服するという習慣からです。
古くは20歳のことを「弱」と言っていたので、20歳に冠をかぶって大人として認められる節目として「弱冠」と呼んでいたのが語源と言われています。
古来の日本では、男子の元服は15歳でしたが、15歳は弱冠には早いわけですね。
現在でも「弱冠」は二十歳前後の若い男性のことを指すのが正しいのですが、性別を問わずに使われるようになっています。
「若干」とは
「若干」とは、多くないこと、少しのことという意味です。
ハッキリと数字で表すわけじゃなく、「少しばかり」という表現として使われます。
「若干」の語源
「若干」の語源は「干」という文字が由来です。
「干」という文字を2つに分けると、一(イチ)と十(じゅう)になります。
つまり、1から10までの1桁程度の数を表すときに「若干」というわけです。
「若」という文字と合わせているので、年齢の若さを表す言葉と勘違いされてしまいます。
ですが、この場合の「若」は「ごとく」「ごとし」のことです。
年齢の若さのことを表しているわけじゃないので、間違えないようにしましょう。
使い分けのポイント
「弱冠」と「若干」の使い分けのポイントは、若い年齢の人を表す言葉なのかどうかで見分けます。
弱冠は「弱冠○○歳でありながら全国制覇を達成」のような使い方をします。
「若干」は、10に満たない小さな数値を表すのに使います。
「満タンにしたつもりが、若干足らなかった」のような使い方です。
まとめ
「弱冠」と「若干」は、明確に意味の違いがあります。
それなのに同じ読み方なので、ゴチャゴチャになっても仕方ないですよね。
しかも、年齢とは関係ない「若干」の方に「若い」という文字が使われているのは、ややこしいにも程があります。
しっかり頭に入れて、間違えないようにしましょう。