「あこぎなことをする」とは、どんなことを表しているのかわかりますか?
「あこぎ」という言葉は聞いたことはあるし、意味もわかっている人が大半でしょう。
でも、「どういう意味なのか?」問われると正しく答えられない人もいるようです。
そういうあなたは正しく理解しているの?と言われてしまいそうですが、自信がないので調べてみようと思います。
「あこぎ」の意味や使い方、また語源についても調べてみましたので、参考にしてください。
「あこぎ」の意味とは
「あこぎ」とは、
あくどいやり方をして、欲深く儲けようとすること。
ずるいやり方をすること。
図々しいこと。
このようなことを表す言葉です。
「あこぎなやり方でぼろもうけした」などと言われる人は、正当な方法ではなく、あくどい方法で儲けたことを批判する意味があるわけです。
大きく意味がズレることなく、現在も同じように使われているのではないでしょうか。
「あこぎなやり方で成功して大金持ちになった」と言われるような人は、尊敬されることはないのです。
「あこぎ」の語源とは
あくどいやり方で儲けようとすることや、図々しくて欲深いことを「あこぎ」と言うようになったのはなぜなのでしょうか。
その疑問を解くために、「あこぎ」の語源を調べてみました。
「あこぎ」とは、阿漕ヶ浦という海岸の名が由来になったと伝わっています。
阿漕ヶ浦とは、現在の三重県津市の海岸です。
三重県と言えば伊勢神宮があることで有名ですよね。
伊勢神宮は天皇家にゆかりが深いので、その周辺では神域とされる場所が多数あったようです。
神聖な場所とされた地域では、狩猟や漁が禁じられていました。
阿漕ヶ浦も漁が禁止されていたのです。
しかし、阿漕ヶ浦は伊勢湾内の海岸です。
湾内はプランクトンが豊富ですし、海が荒れることも少ないため、魚介類の生息が豊かなのです。
それがわかっているため、神聖な場所として漁が禁止されているのにもかかわらず、密漁をする人が絶えなかったようなのです。
今でも同じような問題は各地で起こっていますよね。
神聖な場所だから禁漁というわけではないとしても、禁止されている場所で魚釣りをしたり、魚介類を大量に採取する人は存在するものです。
食べる物に困っているわけじゃないのに、密漁する人がいなくならないわけですから、生きるための漁をしていた時代であれば、密漁する人が絶えないのも仕方なかったのかも知れませんね。
そういう密漁者が多発していたことから、あくどいやり方で図々しく儲けようとすることを「あこぎなやり方」と表すようになったと伝わっています。
「あこぎ」の使い方とは
「あこぎ」の使い方は誤用されることはないですが、使い方の一例を見てみましょう。
同級生の○○君は出世頭だね。
社長になったんでしょ?
すごいね。
100人以上も社員がいるらしい。
1人で起業して10年でそこまで成長させるのは大したものだ。
あこぎなやり方で会社を乗っ取った△△とは大違いだよね。
このように、批判の対象として「あこぎ」を使います。
とくに金儲けに関わることに使えます。
まとめ
「あこぎ」の語源が三重県の阿漕ヶ浦の地名だったとは、その場所を知っていても由来になったとは思っていない人が多いのではないでしょうか。
言葉の語源には地名が由来になっていることは少なくないので、他にも探してみたいと思っています。