調子に乗ってる人に対して

あいつ、図に乗ってるな

ほんと
図に乗りすぎ~
なんて言いますが、そのまま「調子に乗ってる」と言えばいいのに‥と疑問に思ったことがあります。
なぜ「図に乗る」なのか。
そもそも、図とはなんなのでしょうか。
「図に乗る」の語源を調べてみました。
「図に乗る」の語源
「図に乗る」の語源は、じつは仏教用語なのです。
身近な言葉の中には、仏教から広まったものが数多くありますが、「図に乗る」が仏教由来とは意外だと思われる方も多いのではないでしょうか。
「図に乗る」の図の語源とは。
仏教の儀式などで教文に節をつけて朗唱する声楽のことを声明と言いますが、転調することを「図」といい、転調が上手くできることを「図に乗る」と言ったことが由来なのです。
上手く転調して、調子よく朗唱することから、「調子に乗っている」ことをあらわす言葉になったと考えられています。
「図に乗る」はネガティブな言葉
「図に乗る」とは、本来は調子に乗って物事がうまく運んでいることをあらわす慣用句として使わていたのです。
しかし、今では「図に乗る」とはネガティブな言葉になっていると思うのです。

図の乗りやがって

図の乗りすぎてミスするかもね~
このように、上手くいっている様子に嫉妬して、周りから嫌味のように言われるときに使われることが多いように思います。

計画通りだね
図の乗ってるよね

ほんと!図の乗っててすごい!
こういう使い方はしませんね。
いったいなぜなのか、その理由を調べてみましたが、ハッキリとしたことはわかりませんでした。
あくまでも個人的な推測ですが、仏教用語から伝わったことがあまり知られていないので、単に「図に乗る」という音のイメージからではないかと。
では、「調子の乗ってる」ならポジティブなのかというと、そうでもありません。
どちらにしても、物事が上手くいっている人が自慢したり、大きな態度をとる様子を揶揄するように使う表現です。
つまり、そもそもは図に乗るのは悪い意味ではなかったのですが、図に乗る人が慢心によって周囲から冷ややかに見られることが原因なのではないでしょうか。
同じような意味として「いい気になる」「思いあがる」「つけあがる」「大きな顔をする」などです。
「図に乗る」のポジティブ言い換え
「図に乗る」を言い換えてみます。
「調子が出ている」
「波に乗る」
「勢いに乗っている」
「水を得た魚のよう」
「向かうところ敵なし」
調子よく、上手くいっていることを表現するのであれば「図に乗る」は今は使いにくいので、前向きな言葉を選ぶようにしたいですね。
まとめ
「図に乗る」のように、意外にも仏教由来の言葉は数多くあるので、また別の機会に仏教由来の言葉についても調べてみたいと思ってます。
言葉の由来の意外な歴史を探してみるのは面白いものです。