「禁足」という言葉を知っていますか?
土足厳禁のこと?
立ち入り禁止のことじゃない?
残念!!どちらも不正解です。
まあ、日常会話で使う言葉じゃないので、知らない人が多いでしょうね。
今回は「禁足」の意味や使い方について解説します。
「禁足」の意味
「禁足」の意味を調べてみると
(居場所を明らかにさせ)外出・旅行をとめること。(多く罰として行う)
このように書かれていました。
なるほど
足を止めるという意味なんですね
外出禁止みたいなものなのか
普通に生活している人が「禁足」という言葉を使って行動を制限されることは滅多にないので、知らない人が大半なのは不思議なことではありませんね。
「禁足」を使う分野がある
日常生活で使われることがほとんどない「禁足」ですが、ある分野では頻繁に使うのです。
それは国会です。
一般の人たちの中ではほとんど使われなくなったことから「禁足」は国会用語とすら言われているのですよ。
国会用語には、難しい言葉が山ほどあるのですが、その中で「禁足」は難しい言葉というよりも国会議員の中で使われる隠語のように思われている節があるようです。
新たに国会議員になった人は「禁足ってなんだろう」と戸惑う人もいるのかも知れませんね。
「禁足」の使い方
国会用語として、どのようなタイミングで「禁足」が使われるのかというと、不信任案が提出されたときです。
内閣不信任決議案が提出されると、ニュースでそのことが伝えられますよね。
これは内閣総理大臣への不信任だけではなく、大臣や委員長などの不信任もあります。
不信任案は発議者1人と賛成者50人以上が連署して議長に提出します。
これが提出されると、与党側は一刻も早くこの処理をしようとします。
つまり、本会議で不信任決議をするために議員を召集するわけですね。
急に国会議事堂の本会議場に集まって!と言われたとき、遠く離れた場所にいると決議に間に合わなくなってしまいます。
国会議員は地方から上京している人も多いので、地元に帰ってしまえば急な召集があっても間に合いません。
そういう急な召集にも対応できるように発せられるのが「禁足」なのです。
「禁足」を発する人
今の世の中で「禁足令」が発せられるのは国会ぐらいなものでしょうね。
国会が発令するものなんだ
なんか重々しいね
そう思われるのはごもっともなのですが、正確には国会が発令するわけではないのです。
各党の国会対策委員長という立場の人が所属議員に対して「禁足」を発するのですよ。
各党の議員総会が開かれる部屋に「禁足」と書かれた紙が貼り出される様子がニュースの中で見られることがあるので、不信任案が提出されることが多い国会の会期末はぜひ注目してみてください。
まとめ
「禁足」が国会用語となったのは、一般の生活の中で使う機会がほぼなくなったからではないでしょうか。
そもそも罰として発せられていた「禁足令」なので、時代に合わないものです。
それが国会では当たり前のように使われているなんて、ちょっと不思議ですね。