「自論」と「持論」は意味が違うの?

ことばの意味

自分の考えのことを「自論」と書くか「持論」と書くか迷うことありませんか?

自分の考えだから「自論」でしょ

自分が持ってる考えだから「持論」でしょ

文章として書くときには、ちょっと迷うのではないでしょうか。

自論持論、調べてみましょう。

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「自論」と「持論」

じろん を国語辞典で引いてみると、なんといつも使っている新明解国語辞典には「持論」しか載っていないことが判明しました!!

ほら、やっぱり持論でしょ

なんと・・・

持論とはその人の基本的立場によって支えられている考え。

出典:新明解国語辞典

ということは自論という言葉自体、誤用なのでしょうか。

どうやら調べてみると、自論というのは誤記から広まったと考えられているようです。

いつから自論という表記が始まったのかは不明ですが、自説と混乱した可能性が考えられます。

一般的に国語辞典に載っていない言葉は、誤用や誤記から広まったり、造語として扱われているので載らない言葉も多いようで、持論と自論と混乱を招くため載せていないのだと推測します。

「自論」と「持論」の違い

辞典に載っていなくても、両方の言葉がすでに存在しているのも事実なので、どう使い分けるのか考えてみました。

◆ 持論(じろん)

◎ 意味

以前から一貫して持っている主張・考え。
その人が日頃から「持ち続けている」意見。

◎ ニュアンス

  • 長く保持している
  • その人の“定番の意見”
  • 「持」の字が示すように「保持」している感じ

◎ 例文

  • 彼は「効率より誠実さが大切」という持論を持っている。
  • 彼女はいつもの持論を展開した。

◆ 自論(じろん)

◎ 意味

自分の主張・自分の論。
辞書未収録のことが多いが、意味は自然に通じる。

◎ ニュアンス

  • 自分が述べる意見全般
  • その場で考えた新しい意見でもよい
  • 標準語としてはややマイナー

◎ 例文

  • その問題について、私はこうした自論を述べたい。
  • 彼の自論は独自性がある。

◆ わかりやすい使い分け

用語どんなとき使う?ポイント
持論以前から持っている持ち前の意見を言うとき一貫性・継続性がある
自論自分の意見を一般的に表すとき(その場の思いつきでも可)意味は通じるが一般的ではない
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「私論」とは

ここでまた一つ、紛らわしさを倍増させるような言葉「私論」についてです。

自分個人の意見・見解・説を意味する言葉です。

◆ 私論の意味

◎ 辞書的な定義

多くの辞典に載っており、意味は

個人としての意見・見解。私的な見解。

というものです。

◎ ニュアンス

  • 公的・公式の意見ではない
  • 専門家の立場や組織の立場を代表するものでもない
  • あくまで“私(わたし)の観点から見た意見”

という点が強調されます。


◆ 例文

  • これはあくまで私の私論にすぎませんが…。
  • この政策には問題があると私は私論を述べた。
  • 彼の私論は独自性がある。

◆ 「持論」「自論」「私論」の違い(まとめ)

用語意味ニュアンス
持論以前から持ち続けている意見一貫性・長期間
自論自分の論(辞書に載らないことも多い)自分の意見全般、ややマイナー
私論個人としての私的な意見公的立場ではなく個人的な見解

◆ 持論・自論・私論の使い分け早見表

【定義とニュアンスの違い】

用語意味ニュアンス辞書掲載
持論(じろん)以前から持ち続けている主張一貫性・継続性・“持っている”意見〇(ほぼすべての辞書)
自論(じろん)自分の主張・自分の論その場の意見でもOK、自分の考え一般✕〜△(未収録が多い)
私論(しろん)個人としての意見公的でなく「私的・個人的」な見解〇(多くの辞書)

【どんな場面で使う?】

状況適切な語
長年変わらず主張している意見を言うとき持論
自分の意見全般を広く指したいとき自論(ただし誤記と誤解されやすい)
公式見解ではなく私的な意見だと明確にしたいとき私論

【例文比較】

◆ 持論

  • 彼は「努力は裏切らない」という持論をよく語る。
    (昔からの“定番の意見”)

◆ 自論

  • この問題についての私の自論を述べたい。
    (その場の意見、個人的主張を指すが一般性は弱い)

◆ 私論

  • これはあくまで私論ですが、もっと議論が必要だと思います。
    (公的立場ではなく「私の意見」にすぎないことを示す)

まとめ

自論、持論に加えて私論まで加えてしまうと、使い分けが難しく感じますね。

迷った場合は持論で、個人的な意見は私論というのが簡単な使い分けのポイントだと思います。