胸に手を当てるという慣用句の正しい意味とは?間違った使い方とは?

ことばの意味

何か問い詰められた時などに、「胸に手を当ててよく考えてみなさい」と言われることがあります。

例えば浮気しているかも?と怪しい旦那に対して使うことなどが思い浮かびます。

自分の行動を振り返る時などに使う言葉ですが、本来の意味で正しく使えているのか考えてみました。

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胸に手を当てるという慣用句の意味

「胸に手を当てて考える」というのは、冷静になってよく考えてみるということを表現する慣用句です。

胸に手を当ててみると冷静に考えられるのかどうかわかりませんが、冷静になるためには心臓の動きが激しい状態ではなく、正常な脈を打っている時じゃないと冷静とは言えません。

冷静な状態になるためには、自律神経の副交感神経が優位な状態になっていないといけません。

しかし緊張していたり、ストレスを感じている時には交感神経が優位になってしまいます。

交感神経が優位になると、脈拍が早くなるのです。

胸に手を当ててみると、ドキドキしているか、正常なリズムで心臓が動いているのかわかります。

まずは一度きちんと落ち着いて、胸に手を当てながら心臓の動きが落ち着くまで待ってから冷静になって考えてみようというのが「胸に手を当てる」という慣用句の意味なのです。

怪しまれる時に「胸に手を当てて~」と使う理由

何か怪しいことがあるのに、とぼけている人に対して「胸に手を当てて考えてみなさい!思い当たることあるでしょ!」なんて使うことがありますよね。

胸に手を当てるとは、冷静になって考えてみるということなので、怪しいことを隠している時だけに使うわけじゃありません。

でも、何か隠しごとをしている時って「バレたらどうしよう」って思うだけでドキドキしてしまいます。

そのドキドキはまさに緊張によるストレスで、それは自律神経を刺激してホントに心臓の動きを激しくします。

そんな時に胸に手を当ててみると、この言葉が後ろめたいことを隠している人に対して使うのにしっくりくることがわかるのです。

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自分の胸に訊くのも同じ意味

「胸に手を当てて考えてみる」のと同じ意味で「自分の胸に訊いてみる」という慣用句があります。

手を胸に当てて自分が冷静かどうかわかるのと同じように、自分の鼓動は耳を押えるとわかります。

しかし胸に手を当てるのも、自分の胸に訊いてみるのも、後ろめたいことや隠し事が無いことを訴えたい時に使うことが多いのも同じですね。

まとめ

胸に手を当てると、自分の胸の中にしまってあることを見つけることができることがあります。

長年隠していたことがあると、胸に手を当てる度にチクッとしたりします。

現実的にドキドキした心臓の動きも絡めて、とても奥が深い慣用句ではないかと思います。