【頼めば鬼も人食わず】とはどんな意味?使い方や類義語は?

ことわざ・慣用句

「頼めば鬼も人食わず」という言葉には、どんな意味があるのか知っていますか?

その前に、そもそも鬼って人を食べるのか?という疑問を持ってしまうのですが、鬼はあくまでも空想の産物と考えないと話は進みません。

鬼という存在は日本の民話や昔話などにはよく出てきます。

有名なところでは桃太郎、金太郎、一寸法師などです。

人を怖がらせる存在として定番です。

子供のしつけのためや、善悪の教育のためなどに鬼の存在が使われてきたのです。

子供に聞かせるためのお話だけじゃなく、ことわざにも鬼がよく使われています。

「頼めば鬼も人食わず」もその1つなのでしょう。

今回は「頼めば鬼も人食わず」の意味や使い方を解説します。

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「頼めば鬼も人食わず」の意味とは

「頼めば鬼も人食わず」という言葉の意味は、使う場面によっては2つの意味を持っています。

それぞれの意味を見てみましょう。

「頼めば鬼も人食わず」①

「頼めば鬼も人食わず」は、

どんなに好きなことでも、頼まれてしまうと素直に受けずにもったいぶってしまうこと。

という意味の言葉です。

鬼は人を襲って食べるのが大好きだったとしても、人間の方から「お願いします。食べてください」と言われれば、素直に「はい、それではいただきましょう」とはならないということです。

どんなに好きでも、向こうから頼まれてば、「どうしようかな~」と迷うようなフリをする人がいますよね。

そういうもったいぶった態度のことを「頼めば鬼も人食わず」というのです。

「頼めば鬼も人食わず」②

「頼めば鬼も人食わず」んももう1つの意味は、

情け容赦もなさそうな恐ろしい鬼でも、こちらが必死で頼み込めば、食わずに見逃してくれる。

という意味でもあります。

心を込めて頼めば、どんな相手でも助けてくれる可能性があるという意味なので、前述の意味とは違います。

しかし、どちらも心から頼めば相手にもその気持ちが伝わり、対応が変化するという意味では共通しています。

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「頼めば鬼も人食わず」の類義語

「頼めば鬼も人食わず」と共通する意味を持つ言葉を集めてみました。

鬼の目にも涙

「鬼の目にも涙」は普段の会話でも使うことがありますよね。

人の情など通用しないような冷酷そうな人、またはとても涙など流しそうもない強そうな人でも、時には情けの心が湧いて涙を流すこともあるという意味の言葉です。

鬼を身近に感じる言葉「知らぬ仏より馴染みの鬼」についてはこちら。

頼むと頼まれれば犬も木へ上る

「頼むと頼まれれば犬も木へ上る」とは、どんなに苦手なことでも、一生懸命お願いされればやってみようと思ってくれるものだという意味です。

犬の苦手な木登りに例えていますが、人は誰でも苦手なことが1つくらいはあります。
それでも、心から頼まれれば、頑張ってみようと思うものだということを「頼むと頼まれれば犬も木へ上る」は表しています。

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頼めば越後から米搗きにもくる

「頼めば越後から米搗きにもくる」とは、人はどんなに難しそうなことでも、頼み方次第で願いが通じるという意味です。

江戸まで越後からわざわざ米搗きにくるなんて、普通には考えられないことです。

「頼めば越後から米搗きにもくる」とは、誠心誠意のお願いをすれば、その心が通じるものだということを表しているのです。

同じく「頼めば信州から米搗きにもくる」という言葉もあります。

まとめ

「頼めば鬼も人食わず」という言葉の意味の通り、どんな人でも心からの頼み事にまったく気持ちが動かないなんてことは滅多にないと思います。

人には心があるはずなので。

ですが、世の中には鬼よりも冷酷で非常な人間もいるので、心が伝わらない相手にはくれぐれも気を付けましょうね。