色っぽい事とは関係ない「色」を使った慣用句とは!

ことわざ・慣用句

ことわざや慣用句などで「色」という文字が入ると、男女の恋心や情愛などを表現する意味が多いですよね。

でも、色=恋愛ではなく、色っぽいこととは関係のない慣用句やことわざもあるのです。

今回は色っぽい事ではない意味の「色」を使った言葉について解説します。

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色眼鏡で見る

「色眼鏡で見る」という表現は、先入観をもって人を見ていることです。

偏見という意味でもありますね。

その人のことをよく知りもしないのに、最初から先入観や偏見というフィルターをかけたメガネで見るようなことを「色眼鏡で見る」という慣用句を使います。

人に対してだけではありません。

たとえば地域や食文化など、自分に馴染みのない物事に対して、先入観だけで判断してしまうことも「色眼鏡で見る」という表現を使います。

【使い方の例】

「お隣に引越してきた人、日本人じゃないみたい。何だかちょっと怖いよ」

「外国人というだけで色眼鏡で見るのは良くないと思う」

色を失う

「色を失う」とは、顔から血の気が引いてしまうという意味の慣用句です。

恐ろしい出来事に直面したり、あまりにも強い衝撃を受けたりすると、人は顔から血の気が引いて青ざめてしまいます。

一般的には「顔色が悪い」とか「青ざめている」と表現することが多くなっています。

【使い方の例】

「私がいつも駅から帰る時に横切る公園で通り魔未遂事件があったんだって」

「ええ!いつのことなの?」

「昨日、私が帰宅した後みたいだけど。もう少し時間がズレていたらと思うと怖くて」

「どうりで色を失ってるもの。真っ青だよ」

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色を作す

「色を作す」は「いろをなす」と読みます。

色彩豊かに色付くという意味ではなく、怒りや憤りで頭に血が上り、顔が赤くなるということを表しています。

「血相を変える」という慣用句と同じ意味ですが、もう少し柔らかい表現に聞こえますね。

【使い方の例】

「ちょっと!あなた清算していない商品をポケットに入れているでしょ」

と疑いをかけられた人が怒り出した。

「そこまで言うならすべて調べてください」

彼は疑われた怒りで色を作した表情を見せた。

色を正す

「色を正す」とは、今まで笑っていたり、ふざけたり気の抜けた表情をしていた人が、急に真面目な顔になることを表す慣用句です。

顔の表情を変えて、これから真面目な話をしますよ!とアピールすることですね。

会話の中ではあまり使われませんが、小説などには「色を正す」という表現が使われます。

【使い方の例】

「どうした○○君、急にあらたまった顔をして」

と彼は色を正して話を始めた。

色よい返事

「色よい返事」とは、期待していた通りの良い返事という意味の慣用句です。

「色よい返事」は好意的な返事という意味でもありますので、返事を聞く側も伝える側も使えます。

【使い方の例①】

「今度の契約は色よい返事がもらえるといいな」

「はい、感触は好いので、期待できると思います」

【使い方の例②】

「こんなに何度も通ってくれたから、色よい返事をしてあげたいところなんだけど。」

「お願いします」

「私だけでは決められないのよ」

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色を付ける

「色を付ける」とは、相手に利益を上乗せすることを意味する慣用句です。

オマケという言葉がありますが、「色を付ける」のはオマケに似ています。

【使い方の例】

「お願い!もう少しだけ値引きして」

「お客さん、これ以上は無理ですよ」

「値引きが無理なら何か色を付けて欲しいな」

「もう、お客さんには参りました。ほんとは別売りの専用ケースをサービスでつけますよ」

色目を使う

「色目を使う」とは、異性に対して好意を持っているように見せかける慣用句と思われがちですが、そういう意味だけに限定しているわけではありません。

「色目を使う」とは、関心のある素振りを見せることを表しています。

【使い方の例】

「どうして私には良いポジションが回ってこないんだろう」

「あなたは色目を使い過ぎなのよ。あっちでもこっちでもいい顔しているから、真剣さが伝わらないのかもね」

まとめ

「色」を使った言葉でも、男女の恋愛とは無関係の慣用句はいくつもあるのです。

何となく「色」という文字だけで恋愛模様を想像してしまいますが、意味を理解すれば語彙を広げられますね。