「三人寄れば金をも溶かす」ということわざを知っていますか?
ことわざや慣用句には、「三人」はとてもよく使われます。
三人という人数には、深い意味があるのかも知れません。
今回は「三人寄れば金をも溶かす」という言葉の意味や、使い方、また類義する言葉などを解説したいと思います。
三人という人数がよくことわざに使われる理由についても、調べてみました。
「三人寄れば金をも溶かす」の意味とは
「三人寄れば金をも溶かす」とは、
もしも事実ではないことだったとしても、多くの人が同じことを言えば、それが真実だと思われてしまい、いくら事実無根だと否定しても信じてもらえない。
という意味です。
大勢が同じことを言えば、溶けるはずもない金属ですら溶けてしまうというという表現で、人の言葉の怖さを伝えているのです。
事実無根だとしても、たった1人が声を上げても大勢の言葉には敵わないという世の中の恐ろしさを感じます。
「三人寄れば金をも溶かす」の使い方
「三人寄れば金をも溶かす」の使い方を例文で見てみましょう。
なぜかみんなが私を避けているように感じるんだけど。
あ・・・。
何か知ってるみたいね。
教えてよ。
う~ん、私は信じてないよ。
だから何?
えっとね、あなたが休みの間に部長と付き合っているって噂が流れたの。
は?なにそれ?
誰かが2人で腕を組んで歩いているのを見たらしい。
人違いに決まってるじゃない。
私もそう思ったけど、ちょうどあなたが休暇をとっている間に部長も休みをとったの。
そんなの偶然でしょ。
でもね、もうみんなが「間違いない」って空気になってしまって・・・。
もしかして、私の立場ってヤバくない?
そうだね。
上の人の耳に入るればヤバいかも。
三人寄れば金をも溶かすって言うから、釈明しても信じてもらえないかも知れない。
まったく身に覚えのないことなのに、納得できないよ。
事実無根だって証明する証拠が必要だね。
このように、みんなが口をそろえてしまえば、まったく事実じゃないことでもホントのことだと信じられてしまうケースで使います。
自分がそんな立場にならないようにしたいですよね。
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三人の意味
「三人寄れば金をも溶かす」のように、ことわざや慣用句に三人という人数がよく使われる理由について調べてみました。
ハッキリとした理由はわからないのですが、「三人から社会ができる」と言われることと関係があると思われます。
2人では意見の違いでバラバラになることでも、3人いれば多数決でまとめることもできます。
小さな社会ができる単位という意味で、三人はよくことわざなどに使われるのではないでしょうか。
「三人寄れば金をも溶かす」に類義する言葉
「三人寄れば金をも溶かす」と同じような意味の言葉を集めてみました。
三人虎を成す
「三人虎を成す」とは「三人寄れば金をも溶かす」と同じく、大勢の人の言葉によって、事実じゃないことも事実だと思われてしまうという意味です。
1人が「虎がくる」と言っても誰も信じようとしないけれど、3人が続いて「虎がくる」と言えばみんな信じてしまうという話が由来となっている言葉です。
衆口金をとかす
「衆口金をとかす」も「三人寄れば金をも溶かす」と同じ意味ですが、悪口や批判、中傷の言葉による怖さを伝えています。
衆口とは、大勢の人の言葉という意味ですが、人々の口から口に伝わっていく噂話や世間の評判という意味が強いのです。
根も葉もないことでも、誰かが悪口として言い出したことが人々の間に広まれば、真実がかき消されてしまうのです。
真実は金属のように固いはずなのに、それすら溶けてしまうほど大勢の悪口は恐ろしいのです。
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まとめ
「三人寄れば金をも溶かす」という言葉の意味は、兄弟が力を合わせることの大切さを説いた毛利元就の三矢の教えと同じだと勘違いされやすいようです。
三矢の教えとは全く違う意味なので、間違えないように気を付けましょう。