日本は長い間あまり格差がない社会だと言われてきました。
でも、最近はそうでもないですよね。
一握りのお金持ちと貧乏人の間にいる中間層がどんどん少なくなっているようです。
そういう世の中になると、今まで以上にお金持ちに対する風当たりは強くなります。
昔からお金持ちに対しては皮肉や批判を込めたことわざがあったので、今も昔も変わらないのかも知れません。
「金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ち」ということわざも、お金持ちに対する批判や皮肉が込められているようです。
「金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ち」とはどんな意味なのか、他のことわざも含めて解説しましょう。
「金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ち」とは
「金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ち」とは、言葉を聞いただけでは意味不明ですよね。
金持ちなのに貧乏人、貧乏人なのに金持ちなんて、矛盾しています。
ですが、冒頭にも書いたように、世の中の金持ちは妬まれる対象です。
「金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ち」の意味は、
金持ちは欲深く、どんなに金を手に入れても、それで満足できずに足らないと思ってさらに欲しがるので、心が貧しい貧乏人。
一方の貧乏人は、ほんのわずかなお金でも満足できるので、心は満ちていて金持ちだ。
このように、金持ちの心の貧しさと、貧乏人の心の豊かさを比べているのです。
貧乏していると、心に余裕がなくなってしまうので、このことわざが全てではないでしょうけど、お金持ちだからといって心まで豊かになるとは限らないのは想像できますね。
金持ち批判のことわざ
「金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ち」のように、金持ちの心の貧しさやケチケチした本性を批判することわざは他にもあります。
いくつかご紹介しましょう。
金持ち金を使わず
「金持ち金を使わず」とは、金持ちほどケチになるという意味のことわざです。
お金持ちになるためには、無駄なお金を一切使わずにケチを貫かなければなれないので、「金持ち金を使わず」と言われたのだと思います。
また、お金持ちになると、せっかく貯めたお金を減らしたくないので、持っているのに使わないケチな金持ちが多いことも表しています。
「爪で拾って箕でこぼす」という言葉の意味と「金持ち金を使わず」と比べてみましょう。
金持ちと灰吹きは溜まるほど汚い
「金持ちと灰吹きは溜まるほど汚い」ということわざも、痛烈に金持ちを批判しています。
灰吹きとは、灰皿のようなものです。
溜まれば溜まるほど汚いものとして表しています。
お金持ちも財産が増えていくほどに、どんどん強欲になりケチに拍車がかかって心が汚くなるという意味なのです。
金持ち喧嘩せず
「金持ち喧嘩せず」は、お金持ちは心に余裕があるから、小さなことでは喧嘩はしないという意味で使われることが多いですよね。
ですが、「金持ち喧嘩せず」ということわざには、もう1つ違う意味があります。
金持ちは自分が損するようなことはしないので、人と争うことは避ける
という意味があるのです。
つまり、どれほど腹が立ったとしても、喧嘩なんかしてケガをしては治療費もかかって損するだけなので、自分が得しない争いごとはしないのが金持ちだとたとえているのです。
まとめ
「金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ち」のように、お金持ちでも心が貧しくなるのなら、貧乏でも豊かな心の持ち主でいたいというのは、理想としては正しいのだと思います。
そうは言いつつ、ほとんどの人はお金持ちになりたいでしょうけどね。