「眉を伸ぶ」という言葉を聞いて、どんな意味を想像しますか?
正しい意味や使い方をすぐに答えられる人は、それほど多くないと思います。
古くから使われている言葉なのでしょうが、会話の中で聞くことはほとんどありません。
ですが、「眉を伸ぶ」のように眉を使った慣用句は他にもあります。
眉を使うことで、伝えたいことが表現しやすくなるのでしょう。
今回は「眉を伸ぶ」の意味をはじめ、眉に関する言葉についてまとめています。
「眉を伸ぶ」の意味とは
「眉を伸ぶ」は「眉を伸べる」とも言います。
この言葉の意味は、
ホッとして安心した表情になる。
という気持ちが顔にあらわれることです。
なぜホッとして安心することを「眉を伸ぶ」というのか、それを理解するためには、安心できない時に人がどんな表情をするのか想像するとわかりやすいと思います。
イライラしていたり、心配で落ち着かない時には、眉と眉の間を寄せてしまうことがあります。
「眉間にしわが寄る」という状態です。
眉間にしわを寄せることを「眉をひそめる」と言います。
心配なことがなくなり、人がホッとした時には、しわの寄っていた眉間が伸びますよね。
それが「眉を伸ぶ」ということなのです。
同じ意味として「眉を開く」という言葉もあります。
これも「眉を伸ぶ」のように、眉と眉を寄せていた表情がゆるみ、眉と眉が開くという様子が思い浮かびます。
「眉」を使った言葉
眉を使った言葉は「眉を伸ぶ」「眉を開く」「眉をひそめる」など数多くあります。
「眉に唾をつける」という言葉についてはこちらでも書いています。
他にはどんな言葉があるのか、見てみましょう。
眉に火がつく
危険なことがすぐ目の前に迫ってきている様子を表すことばです。
「眉に火がつく」というのは、眉毛が焼けそうなほど火が近くまで迫っていることを想像できるので、意味もわかりやすいのではないでしょうか。
「眉に迫る」とも言います。
眉を落とす
「眉を落とす」とは、今の時代では使わない言葉です。
この言葉は、既婚女性が眉をそり落としていた風習から生まれたので、その風習がなくなったので、言葉も使われなくなっていきました。
女性が結婚することを表す言葉として、江戸時代に生まれた言葉です。
眉を読まれる
「眉を読まれる」は心の中を読まれてしまうという意味の言葉です。
逆の立場からは「眉を読む」と言います。
人は感情の変化が顔に出ると、眉を動かす癖のある人も多く、感情の変化が表れやすいパーツだからなのでしょう。
眉を上げる
「眉を上げる」とは、怒りの感情を表しています。
起こった時に目を見開くと、眉毛も吊り上がりますから、その表情から怒りを表しているのです。
怒りや不機嫌を表す「おかんむり」についてはこちら。
眉を曇らす
「眉を曇らす」は、心配なことや嫌なことが顔の表情に出ることです。
「顔が曇る」とか「表情を曇らせる」などとも言いますね。
心配事のないときの晴れやかな表情とは違うということなのでしょう。
「眉をひそめる」と同じように使います。
まとめ
人の顔の表情は、心の中の様子でコロコロ変わるものです。
眉というパーツは、動きがわかりやすいので、感情の変化を伝えるのにちょうどよかったのでしょう。
眉は人の気持ちを伝える大切なパーツなので、きちんと手入れしていかなければ・・と改めて思ってしまいました。
眉毛は大切ですね!