「ごますり」と略されたりもしますが、「胡麻をする」という表現が、なぜ人への態度として使われるようになったのか不思議に思いませんか?
「胡麻をする」という言葉の由来について解説します。
「胡麻をする」とは?
「胡麻をする」とは
自分のメリットのために、人に取り入り、その人に気に入られるためにお世辞を言ったり、おべっかを使うこと。
という意味です。
おべっかというのは、ご機嫌取りのことで、違う言い方では「お上手を言う」というのもあります。
つまりは、自分が得をするためには心にもないことを言って気に入られようとすることを「胡麻をする」というわけです。
「胡麻をする」の由来
なぜ人に気に入られようとする言動を「胡麻をする」というのでしょうか。
その表現が使われるようになった由来は、胡麻をすり鉢でする時の様子から生まれたようです。
胡麻をすり鉢ですると、胡麻の種子の中に含まれる油が出てきます。
その油と細かくなった胡麻の粉がすり鉢の細かい溝に貼り付き、ベッタリと付きます。
その様子から、気に入られようとして、すり寄って離れないような人に対して「胡麻をする」と言うようになったのです。
「胡麻をする」と似ている表現
人に気に入られて、自分が得するために、お世辞を言ったりする言動は「胡麻をする」以外にも色々あります。
「尻尾をふる」というのもよく使われますね。
これは犬が飼い主などに対して尻尾をふって喜びを表現する様子からです。
気に入られるためなら、飼い主に尻尾をふって服従する犬のような態度もできる人という意味なのでしょう。
「ヨイショする」というのも聞きますね。
ヨイショと持ち上げる時の掛け声を使っているのは、気に入られるためにその人を高く持ち上げているという意味なのです。
昔は「太鼓持ちをする」というのも同じような意味で使われていました。
太鼓持ちというのは、芸者とは違い、お座敷遊びをするお客を楽しく遊ばせるための芸人のことです。
太鼓持ちは男性なので、女性とは違い色気などではお客を楽しませられません。
お世辞などで気持ちよくさせて、楽しんでもらうのが太鼓持ちの役割です。
気に入られることで儲かる職業ですから、「胡麻をする」ようにおべっかも使うわけです。
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まとめ
「あの人、ゴマすりばかりしているよね」なんて、とくに深い意味も考えずに日常会話に使われています。
すり鉢で胡麻をすってみないと、その言葉の由来は想像できないものですね。
胡麻をすったことのない人は、一度やってみるとよくわかると思いますよ。