刑事ドラマだけじゃない?警察業界の隠語はホント!その語源は?

ことばの雑学

テレビドラマが新たに始まる季節になると、どんなドラマが始まるのか楽しみにしている方もいるでしょうね。

恋愛ドラマ、家族のドラマ、学園ドラマ、ミステリードラマなど、色んなジャンルがありますが、医療ドラマと刑事ドラマはテッパンです。

医療ドラマも刑事ドラマも、一般の人たちにはわからない世界なので、そこがドラマとして面白いのでしょうね。

とくに刑事ドラマは、普通に生きていると縁のない世界なので引き込まれます。

さて、今回は刑事ドラマを見ていると必ず出てくる警察業界の隠語についてです。

警察業界の隠語は、操作のための暗号として始まった言葉もあるようですが、ドラマでバンバン使われては暗号としてはもう使えませんね。

それにしても色んな隠語があります。

たとえば犯人のことを「ホシ」と呼んだりするのも、語源は何なのか気になります。

そんな警察業界の隠語についてまとめてみました。

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犯人のことを「ホシ」と呼ぶ理由

刑事ドラマではすっかりおなじみの「ホシ」ですが、これはドラマだけで使われる言葉ではなく、ホントに警察用語として今でも使われているそうです。

ただ、あまりにもドラマで使われ過ぎたため、警察の人たちも「ホシ」というのが照れくさくなるかも知れませんね。

この「ホシ」の語源は「目星」です。

犯人の目星をつけるというのが語源となったという説が有力です。

家宅捜査のことを「ガサ入れ」という理由

家宅捜査というのは、犯罪の証拠などを調べるために家や会社などを捜査することです。

刑事ドラマなどを見ていると「ガサ入れ」と言っていますよね。

「ガサ入れ」の語源は、「さがす」を逆さまにして短縮したのが由来だと言われています。

証拠を探すために入るので、「ガサ入れ」というようになったわけですが、家宅捜査に必要な令状のことは「ガサ状」と呼ぶそうです。

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刑事のことを「デカ」と呼ぶ理由

今さら刑事のことを「デカ」と呼ぶのに疑問を感じる人はいるのか?と思うほど、世の中に定着してしまいましたが、その由来まではあまり知られていないのではないでしょうか。

「刑事」のことを「デカ」と呼ぶようになった由来を調べてみると、明治時代の警察官が着ていた衣類が語源になったという説が有力です。

明治政府が警察という組織を作った時には、まだ世の中には西洋の洋服があまり広まっていませんでした。

日本全国にいる警察官に、西洋式の制服を揃えるのは難しかったため、「角袖(カクソデ)」と呼ばれる角ばった大きな袖の付いている衣類を着せていました。

その「角袖」の読み方を逆さまにして、短縮したのが「デカ」の語源だと言われています。

2人1組の相手を「相棒」と呼ぶ理由

「相棒」と言えば、長年人気を集め続ける刑事ドラマです。

しかし、もともと「相棒」という言葉は、駕籠を担ぐ相手のことでした。

2人1組で駕籠を吊るす棒を担ぎ、人を乗せて運ぶ商売から生まれたのが「相棒」という言葉です。

その後は、2人1組で何かする時の相手に対して使う言葉として広まりましたが、刑事ドラマの「相棒」がヒットした結果、2人1組で捜査する時には実際の警察でも「相棒」を使うこともあるそうです。

本来は「相勤」と呼んでいたそうなので、ドラマからリアルな警察にも影響を与えるなんて「相棒」の人気ぶりを感じます。

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ドラマでは使われない警察用語

ここからは、刑事ドラマでは使われない警察の隠語をご紹介します。

警察の隠語は、地域によって違いもあるので、方言的な要素もあるようですが、一般人には不思議な言葉ばかりです。

あいちゃん

「あいちゃん」なんて、可愛らしい響きですが、これは警察官の隠語で「スリ」のことです。

なぜ「スリ」のことを「あいちゃん」なんて呼ぶようになったのかというと、明治時代には「スリ」を「相手屋師」と呼んでいて、「アイテヤシ」から短縮され「あいちゃん」になったと言われています。

明治時代にスリという犯罪を「相手屋師」と呼んでいた理由は定かではありません。

黒・白・赤・青がある詐欺

詐欺と言えば、人から金品などをだまし取る犯罪です。

最近では、特殊詐欺が社会問題になっていますよね。

警察の中では、詐欺の種類ごとに色分けしているそうです。

黒詐欺は「クロサギ」というタイトルの漫画もあるので、一般の人も知っていると思います。

黒とは玄人のことで、プロの詐欺師を相手に詐欺をすることを黒詐欺と呼ぶようです。

白は素人のことで、まったくの一般庶民を相手に詐欺を働くこと。

赤詐欺は結婚詐欺のことを指す隠語です。

青詐欺は、企業を相手にしたり、不動産や文書などを使った詐欺のことを指しています。

特殊詐欺は、素人相手に騙すので、白詐欺の一種のようですが、「特殊」と呼ばれるだけに、手口が巧妙な新手の詐欺はすべて特殊詐欺に含むと考えられるようです。

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まとめ

警察の隠語は、捜査のためには一般の人にはあまり知られない方が便利です。

暗号的な役割があるからですね。

ですが、刑事ドラマの影響は大きく、警察内だけの隠語も随分と広まってしまいました。

でも、まだまだ一般には知られていない隠語は山ほどあるのでしょうね。