【月並み】の意味とは!平凡ではなかった?もとの語源や由来は!

ことばの意味

「月並みな言葉しか思いつかない」とか「月並みではありますが・・」など、平凡を表す「月並み」という言葉。

誰もが当たり前に使っているのですが、なぜ平凡なことを表すのに「月並み」というのか、疑問に感じませんか?

そこで「月並み」という言葉が今のように使われるきっかけは何だったのか、語源や由来について調べてみました。

類義する言葉や使い方もご紹介します。

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「月並み」の意味とは

「月並み」とは、一般的に使われているように平凡な様子を表す意味があります。

平凡と同じ意味ではありますが、「月並み」に関して言えば、言葉の表現によく使われる印象があります。

言葉の表現に対して使われることが多い理由は、「月並み」の語源や由来が関係しているようです。

「月並み」の語源

「月並み」の語源を調べてみると、「月並み会」という俳句の会であることがわかりました。

毎月開かれる俳句の会を「月並み会」と呼んでいたようです。

もともと俳句の世界で生まれた言葉ではなく、毎月行うことが「月並」だったのです。

現在では、毎月行われるような行事は月例会と呼ぶのですが、俳句の世界では「月並み会」と呼んでいたようです。

「月並み」は「月次」とも書きますが、どちらも意味は同じです。

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「月並み」の由来

「月並み」という言葉が、今のように平凡な様子を表すようになったきっかけは、革新的な俳句を広めようとした正岡子規の言葉が由来だと言われています。

正岡子規を中心に、新しい俳句を広める運動が起こった際に、古くから守られる伝統的な俳句を「月並み調」と皮肉を込めて表現したことがきっかけだと言われているのです。

古い伝統を守る俳人たちは、毎月集まって「月並み会」として俳句の会を開いていたので、それを批判の表現に使ったのでしょう。

批判のために使われたので、もともとは毎月行う意味だった「月並み」という表現が使い難くなってしまったわけです。

それほど正岡子規たちが起こした俳句革新運動の影響は大きかったのですね。

今ではすっかり月例会とは違う意味の言葉として、世の中に定着しています。

「月並み」の使い方

「月並み」の使い方を例文で見てみましょう。

部下の披露宴でスピーチを頼まれてしまったよ

あら、大変

苦手なんだよな

気のきいたことを言おうとするからよ

月並な言葉しか思いつかないんだ

それでいいのよ

まあ、無理に笑いをとろうとしても白けるだけだよな

月並みでも気持ちが伝わればいいと思うわよ

このような使い方が一般的です。

批判ではなく、謙遜として「月並みではありますが・・」とつけることも多いですね。

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「月並み」の類義語

「月並み」の類義語は、平凡以外にもあります。

どのような言葉があるのか集めてみました。

ありふれた

「ありふれた」という言葉もよく使いますね。

漢字にすると「有り触れた」です。

どこにでも有り、誰もが触れることができるという意味です。

ありきたり

「ありきたり」もよく耳にする言葉ですね。

「ありふれた」と似ているのですが、微妙に意味が違います。

「ありきたり」を漢字にすると「在り来たり」です。

ずっと昔から在り、今にずっと在るという意味です。

目新しさのない物事に対して使います。

何の変哲もない

「何の変哲もない」とは、取り立てて言うこともないという意味です。

変哲というのは、普通とは違うことなので、平凡で目新しさもないことを表す言葉です。

決まりきった

「決まりきった」とは、誰もが同じように考えることを表しています。

常識的なこと、定番という意味です。

批判や皮肉に使われることもあるのですが、当たり前や当然という意味です。

まとめ

「月並み」という言葉の意味が今のように変わったのが100年ほど前です。

江戸時代が終わってからの日本は、古いものを「型にハマったつまらないもの」として批判する流れがあったので、言葉の意味すら変えてしまったのでしょう。