勝負服と言えば、大切なことがある時に着る服だと思われています。
デートの日に着る服というイメージが強いですよね。
服だけじゃなく、勝負下着とか、勝負メイクとか、勝負ヘアまであります。
恋愛において「今日こそは!」と意気込む時に、自分の魅力を最大限に引き出すための服のことを勝負服と呼んでいます。
女性だけじゃなく、男性にも広く使われている言葉になっています。
すっかり世の中に浸透した勝負服という言葉と意味ですが、本来は恋愛とは関係なかったのです。
今回は勝負服の由来を解説しましょう。
勝負服とは
勝負服とは、もともとは競馬の世界から生まれた言葉です。
競馬の騎手がレースの時に着る服のことを、勝負服と呼んでいるのです。
日本の中央競馬では、馬のオーナー(馬主)ごとに服の色が決められてるので、騎手は乗る馬によって着る服を変えることになっています。
地方競馬では、騎手ごとに勝負服を決めるので、地方競馬では勝負服の他にも騎手服という呼び方をすることもあるようです。
現在では、全国的に勝負服という呼び方が定着していますが、過去には馬主服と呼ばれていた時代もあります。
明治から大正時代までは、勝負服という呼び方はなかったので、昭和に入ってから生まれた言葉だと言われています。
いつから勝負服と呼ばれるようになったのかは、はっきりわかっていません。
勝負服と同じ意味の言葉
大切な人と会う時などに着る服のことを勝負服と呼ぶのが当たり前になっているのですが、そもそも勝負服は競馬から生まれた言葉です。
それまでは他の言葉で表現していたはずですが、勝負服と同じような意味の言葉は他に何があるか考えてみました。
一張羅(いっちょうら)
一張羅は今でもよく使われる言葉です。
一張羅の意味は、持っている衣服の中で一番上等なものということです。
ただ、1着しかまともな服を持っていないという意味でも使われます。
勝負服は、色々ある中で自分を良く見せるための服のことなので、まったく同じではありません。
ですが、大切な人と会う時のために一張羅を着るというのは、似ていると思います。
とっておき
とっておきとは、衣服だけに限った言葉ではありません。
普段は大切にとっておいて、いざという時にだけ出すもののことをとっておきと言います。
大切な日には、とっておきの服を着て出かけるなど、勝負服と同じように使うことができます。
よそいき
最近はあまり使われなくなりましたが、普段着に対して、外出する時に着る服のことをよそいきと言います。
ちょっと近所に出かける時に着る服ではなく、きちんとした場所に出かける時に「よそいきの服を着て」などと使います。
デートや異性の目を引くためという意味で使われる勝負服と同じではありませんが、普段着とは違う服という点は近いのではないでしょうか。
デート時の気合いを表す言葉
勝負服から広まった勝負メイクや勝負下着という言葉は、すでに付き合っている相手とのデートではなく、恋人として付き合う段階にステップアップするための勝負を決める気合いを表しているわけですよね。
競馬の騎手が着る勝負服とは違うとしても、決着をつけたい気持ちは同じでしょう。
でも、ちょっと気合いが強すぎる感じもしますね。
おめかしする。
オシャレをする。
着飾る。
魅力的に見せるために頑張ったことを表す言葉はあるのですが、やはり勝負服ほどのインパクトはないですね。
気持ちが伝わりやすいので、勝負服が世の中に広まったのも理解できるのではないでしょうか。
まとめ
勝負服は競馬の世界から生まれた言葉というのは、競馬ファンの間ではよく知られているようです。
まさか勝負下着や勝負メイクなんて言葉まで生まれるとは、想像できなかったでしょうね。
業界用語が世の中に広まった言葉には「え!そこが語源なの?」と驚いてしまいます。
一般の社会に広まると意味が変わってしまうことが多いので、もともとの語源を調べるのは楽しいのではないでしょうか。