「嘘をつく」「嘘をつかれた」「嘘ついているでしょ」と、なぜ嘘は「言う」のではなく「つく」と表現されるのか不思議に思ったことはないでしょうか。
普通に考えれば「嘘を言う」「嘘を言われた」「嘘言ってるでしょ」という表現でも間違いではないはずです。
なのになぜ嘘は「つく」のでしょうか。
その理由、由来について調べてみました。
嘘つきとは
嘘をつくとは、嘘つきから生まれた表現です。
嘘つきとは、日常的に嘘を言う人のことを指しています。
毎日のように嘘を言う人に対しての表現でしたが、そこから嘘を言うことに対して「嘘をつく」となったわけです。
ここで言う「つく」とは、ため息を吐くとか、ホッと一息吐くというのと同じです。
「吐く」は「つく」と読みますから、まるで息を吐くように頻繁に嘘を言う人のことを「嘘つき」というようになったというのが有力な説です。
嘘をつくと嘘を言うを使い分ける?
本来は、頻繁に嘘を言って人を騙したり、困らせたりする人に対して「嘘つき」とっていたのですから、細かく考えると「嘘つき」とか「嘘をつく」のは、常習的な嘘だけに限定した方が正しいのでしょう。
滅多に嘘を言わない人に対して「嘘つき」というのは、当てはまらないのかも知れません。
ですが、今は「嘘つき」=常習的な嘘という認識を持っている人が少ないので、とくに使い分ける必要もないようです。
嘘八百とは
「嘘つき」が、常習的に嘘を言う人のことだとしたら、「嘘八百」も同じような意味なのでしょうか。
嘘を並べるとという意味で「嘘八百」だと思っている人が多いので、嘘つきの大げさな表現なのかな・・と思ったのですが、意味は少し違うようです。
「嘘つき」が常習的な嘘を言うことに対して、「嘘八百」は何から何まで嘘ばかり並べるという意味なんです。
比べてみると、どちらも嘘が多いことは変わりありませんが、その事柄についてすべてが嘘という意味の「嘘八百」の方が嘘のボリュームが重そうな印象がありますね。
嘘を多用するのは失礼?
息を吐くように嘘を言う人のことを「嘘つき」と言うのですから、簡単に人に対して「嘘つき~」なんて使うのは控えないといけません。
ですが、日常的に「嘘」を多用するのが現代の会話によくあります。
「話題のお店●●に行ってきたよ」
「嘘~、ほんとに~?」
というように、「信じられない」というような感嘆の表現として「嘘」は多用されています。
感嘆の表現で「嘘」を使う場合は、くれぐれも「嘘つき」とは言わないように注意しましょう。
まとめ
嘘つきという意味からして、自分から「嘘をつく」と言うのは嘘を常習しているということになるので、本来の意味を知ると言葉の使い方に慎重になってしまいます。
世間で本来の意味ではなく使われるようになれば、誤用も間違いとは言われないそうなので、あまり気にしない方が良いでしょうね。
嘘つきと意味は念のため、おぼえておきましょうか。