門の前の痩犬ということわざを聞いて、どんな意味だとすぐに分かりますか?
あまり使われないことわざなので、正しい意味をすぐに答えられる人は多くないのではないでしょうか。
門の前の痩犬ということわざについて調べてみました。
門の前の痩犬の意味
門の前の痩犬のことわざの意味は、弱いものが後ろにいる権力者の力で威張っていることです。
ドラえもんで言えば、ジャイアンに影に隠れて威張っているスネ夫という感じでしょうか。
門のかわりに家を使うこともあるようですが、門(家)の前じゃないと途端に吠えなくなるので、いかにも強い者が後ろにいる時だけ威張り散らす嫌な人のことを指すことわざですね。
同じ意味のことわざ
門の前の痩犬ということわざは、あまり使うことがないのですが、同じ意味のことわざに「虎の威をかる狐」があります。
このことわざはよく使いますよね。
狐はそれほど強い動物でもないのに、狐を襲おうとする猛獣は狐のそばにいる虎の迫力に恐れ慄いて逃げていくということから強い者の力で威張る小者のことを指すことわざとして使われます。
ですが、そもそも狐がなぜそばにいる虎に襲われなかったのか不思議ですよね。
このことわざが生まれたのは、漢の時代の戦国策・楚策という書物の中の説がもとになっています。
虎におそわれそうになった狐は虎に対して「自分を食べると天罰が下るぞ」と脅しました。
もちろんそんなことは嘘なのですが、狐は小者のくせにずる賢さを持っていたのです。
しかもそれだけじゃなく、狐は百獣の王だと天光から任命されたとまで言って虎を従えるようになったのです。
すると狐の後ろについている虎が怖くて動物たちは逃げ出していく様をことわざにしたのです。
比べてみると、門の前の痩犬と比べて、虎の威をかる狐の方がずる賢さでは狐の方が上のような印象を受けます。
後援者がいる時だけ吠える弱い犬と、猛獣の虎を知恵を使って上手く使いこなすわけですから、狐の勝ちでしょう。
昔から狐や狸は化けて人を騙す動物と言い伝えられたり、神様の使いとして崇められることもあるだけに、さすが狐は賢い動物なんでしょうね。
感心してしまいました。
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まとめ
門の前の痩犬ということわざを聞いて、門の前にやせ細った犬が助けを求めて迷い込んできて、見て見ぬ振りできずに飼い犬にするというシーンを想像してしまったのは私だけでしょうか。
そんなほのぼのした温かみのある意味のことわざじゃなかったので、ちょっとショックを受けていますが、勉強になりました。