長者に二代なしとか長者三代の意味は昔と今では事情が違うのでは?

ことわざ・慣用句

長者に二代なし、長者三代ということわざは今の時代ではほとんど使わなくなっています。

長者とは裕福な家のことです。
財産が沢山があると、昔から財産を守るために苦労したようです。
しかし、昔の金持ちと今の金持ちでは事情が違うようです。

長者に二代なし、長者三代を今の時代に合った解釈で考えてみました。

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長者に二代なしの意味とは

長者に二代なしとは、

お金持ちの家に生まれた子供は、贅沢な生活を当たり前だと思い、お金を大切に使わないことが多いので、初代が作った富も二代目が使い果たしてしまって貧乏になることがある

という意味です。

ですが、お金持ちほどお金の使い方に厳しいこともあるので、長者に二代なしとは、お金持ちになった人に対して、後継ぎの育て方に注意を促す意味のことわざではないかと思います。

長者三代の意味とは

長者三代の意味は、長者に二代なしと似ていますが、

二代目は初代が苦労して今の財産を作る姿を見てきたので、それを守るために努力けれど、三代目は二代目が苦労する姿を見ていないので、財産のある家に生まれたことに感謝もせずに浪費をして潰してしまう

という意味です。

これは実際によくあったことのようで、大きな商家では三代目のぼんぼんの代で潰れることは珍しくなかったみたいです。

これは二代目が初代に作り上げたものを守ることの大切さを見せることに失敗しないためにも、教訓として伝わっています。

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今の時代では?

長者に二代なしや、長者三代は子育ての失敗しないように教える意味が強かったと思います。

しかし今の時代、お金持ちが財産を子供に遺すことすら厳しいのです。

何しろ、日本には世界でも最高レベルの税率の相続税があります。

相続税の最高税率は50%から55%にアップしたくらいですから、お金持ちがそのまま財産を子孫に残すことが厳しい制度があるのですよ。

世界を見渡すと、相続税がない国の方が多く、相続税を廃止する国も増えています。

相続税ができたのは明治時代で、日露戦争のために国がお金を必要としたことがこの制度の始まりだと考えられます。

それから100年以上、ずっと相続税はなくならず、それどころか税率がアップしたり、非課税の基礎控除が少なくなっています。

頑張って築き上げた財産を二代目、三代目が引き継ぐ時にはゴッソリと国に相続税として納めるのですから、明治時代以降には、長者が何代も財産を維持し続けるのは厳しいのでしょうね。

まとめ

生まれた時からお金持ちか貧乏か格差があるのは昔から同じです。

貧乏からお金持ちになれるチャンスもあるでしょうが、なかなか夢と現実は違いますよね。

長者に二代なしとか長者三代なんてことわざには無縁の立場ですし、相続税の心配もない立場ですが、お金持ちはその財産を守るために頭を悩ますことも多いのでしょうね。