「千石万石も米五合」という言葉を知っていますか?
千石、万石の「石」とは米の単位のことです。
五合の「合」も言うまでもなく、米の単位です。
ということは「千石万石も米五合」は米に関わることを意味しているわけですね。
でも、それがどんな意味なのか・・・。
今回は「千石万石も米五合」の意味や使い方についてまとめています。
「千石万石も米五合」の意味とは
「千石万石も米五合」とは、
どれほど裕福だとしても、ほんとうに必要なものには限りがある。
という意味があります。
千石、万石の石高のある領地の大名になったとしても、その日に食べる米の量はせいぜい五合くらい。
どれほどお金持ちになったとしても、食べる量は普通の暮らしをしている人と同じです。
「千石万石も飯一杯」とも言います。
裕福な人に対しては、必要以上の持っていることへの無意味さを感じさせます。
裕福ではない人に対しては、有り余るほどの富をもっていても、必要なものは同じだと伝えているように感じさせます。
聞く人の気持ち次第で、伝わる意味が変わるようなことわざですね。
「千石万石も米五合」の使い方
「千石万石も米五合」の使い方を例文で見てみましょう。
例文①
また買ったの?そんなに洋服買っても無駄になるだけじゃない?
腐らないんだから無駄にはならないよ。
そう言いつつ、数枚を繰り返してるでしょ。
気に入っているのをつい着ちゃうの。
千石万石も米五合だね。
食べる量に限界があるように、着る服の枚数も限りがあるのよ。
たしかに、10着買ってもお気に入りには入らないことがある。
どれだけ持ってても、たった数枚をローテーションしてるだから。
あなたの10分の1も洋服持っていないけど、一週間着回しできれば十分よ。
例文②
また自治会長の奥さんに自慢されちゃったわよ。
今度は何の自慢だ?
息子さんたちのために、リゾートマンションを買ったんですって。
またか!たしかどこかに別荘も持ってるんだよな。
そうなのよ、お金持ちはすごいわね。
でもな、住む家は1つあれば十分だよ。
遊びに行くためなら、ホテルに泊まった方がラクじゃないか。
まあそうね。
住む家が増えても、留守にしてるだけなら無駄になるわ。
千石万石も米五合って言うが、安心して暮らせる家があるだけで幸せだよ。
「千石万石も米五合」の類義語
「千石万石も米五合」と同じ意味の言葉を集めてみました。
起きて半畳寝て一畳
「起きて半畳寝て一畳」とは、どれほど広いお屋敷に住んでいても、起きている間に座るのは半畳、寝るときは一畳あれば十分だという意味です。
狭い家でも、人間が暮らすのに必要な面積はその程度なのです。
千畳敷に寝ても一畳
千畳もあるような大広間でも、人間が寝るために必要なのはせいぜい一畳です。
「千畳敷に寝ても一畳」は、必要以上に欲を持っても仕方ないという意味です。
「千畳にも一畳」と短縮して使われることもあります。
「千石取れば万石羨む」とは
「千石取れば万石羨む」という言葉は、人間の欲は限りがないという意味です。
千石あれば、万石持っている人を羨ましく思うように、人間の欲深さを表しています。
鶴は千年、亀は万年と言われるように、長寿を象徴する生き物を使った「亀の年を鶴が羨む」という言葉もあります。
まとめ
「千石万石も米五合」とは、不要なものを持たずに暮らす人たちの心に響く言葉だと思います。
シンプルな生き方を考えるときに、思い出したい言葉ではないでしょうか。