【せっぷの疑い】とはどんな意味のことわざなの?その語源とは!

ことわざ・慣用句

「せっぷの疑い」という言葉は、現代ではほとんど使われないため、初めて聞いたという人が多いと思います。

そもそも「せっぷ」って何なの?というところから疑問ではないでしょうか。

「せっぷってどんな字なの?」「せっぷの意味って?」など疑問がいっぱいです。

古いことわざですが、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

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「せっぷ」とは

「せっぷの疑い」の「せっぷ」ですが、「窃鈇」という字です。

「窃」は「窃盗」という字に使われる通り、「盗む」ことを意味しています。

「鈇」は「斧」のことです。

「窃鈇の疑い」ということわざの意味を理解する上では、この2つの文字の意味を知らないとわからないのですよね。

「せっぷの疑い」とは

「窃鈇の疑い」という言葉は、

何の証拠もなく人を疑うこと。

という意味です。

人を疑い出すと、どんなことも怪しく見えてしまい、きりがありません。

疑いの目で見ていると、その人が普通の行動をしていても、それが怪しく見えてしまうので、気を付けなくてはいけないと伝えているのです。

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「せっぷの疑い」の語源とは

「窃鈇の疑い」という言葉は、故事に残る一説が語源になったと言われています。

ある人が、自分の斧を失くします。

すると、その斧を隣家の子供が盗んだのではないか?と疑い始めます。

疑い始めると、その子供の目つきや言葉使い、挨拶を交わすときの表情などが何もかも怪しく見えてしまいます。

しかし、盗まれたと思っていた斧が、見つかります。

盗まれたのではなく、自分が見失っただけだったのです。

盗まれたのではないとわかると、あれほど疑わしく見えたのに、隣の子供を見てもまったくそんな怪しい点が見つからなくなったというのが「窃鈇の疑い」の語源になったのです。

自分で失くしておいて、隣の家の子供を疑うなんて、何ともひどい話ですよね。
疑われた子供もいい迷惑です。

しかし、人はそういうところがありますから、気を付けなくてはいけません。

疑われる理由がある?

「窃鈇の疑い」のように、何の証拠もないのに人を疑うなんてひどい話です。

ですが、「火の無いところに煙は立たず」とか「無い名は呼ばれず」ということわざもあります。

どちらも噂になるのは、何か根拠があるからだという意味のことわざです。

何かそう思われても仕方ないような言動があるから、噂になっても仕方ないということなのでしょうが、盗みの疑いはどんなに日頃の行いが怪しげでも、証拠もなく疑ってはいけませんね。

まとめ

金の斧と銀の斧を選ぶという童話がありましたよね。
あれはどれほど正直なのかを試されるというストーリーです。

「窃鈇の疑い」ということわざも残っていることから考えると、斧という道具はとても重要なものだったのでしょう。

とにかく、むやみに人を疑う前に、自分自身の目で真実を確かめないといけませんね。