「借金は身上の薬」という言葉を知っていますか?
借金のある人は、浪費家だったり、無計画に買い物したり、身の丈に合わない暮らしをしようと見栄を張るなど、良いイメージはありませんよね。
できることなら、お金を借りずに自分の稼ぎだけで暮らしができれば理想です。
それなのに「借金は身上の薬」なんて、まるで身体のためには借金が良いと言わんばかりの言葉があるのです。
不思議ですね・・。
そこで今回は「借金は身上の薬」の意味や使い方、由来についてまとめてみました。
「借金は身上の薬」の意味とは
「借金は身上の薬」とは、
借金のある人は、できるだけ早く返そうと努力するので、よく働けるようにケガや病気への油断なく、きちんと生活するのでかえって健康になる。
また、借金を返すために節約する習慣が身に付くので、財産を増やすこともできる。
このような意味があります。
借金にも色々ありますよね。
たとえば車や住宅などの高額なものを買う時のローンや、商売を始める時の融資なども借金です。
贅沢な生活や遊興費などにお金を浪費して、生活が苦しくなって借金をするのとは違う印象です。
真面目な性格の人が借金をすれば、一生懸命に働いて一日でも早く返済しようと頑張るでしょうね。
お金にだらしのない人は、借金を踏み倒したり、無計画に借りて夜逃げするなど悪い印象です。
つまり「借金は身上の薬」とは、真面目な人物がお金を借りた場合のことを表しているのでしょう。
「借金は身上の薬」の使い方
「借金は身上の薬」の使い方を例文で見てみましょう。
例文①
仕事が終わってからアルバイトもしてるんだって?
そうだよ。
副業がOKになったからね。
そんなに頑張って働いてるけど、何か目標があるの?
じつは、マンションを買ったのよ。
へ~、その若さですごいね。
ローンを抱えたから、時間を有効に使わないと勿体ないでしょ。
前よりイキイキしているみたい。
借金は身上の薬ってホントなのね。
例文②
新人の中でもAさんはすごく優秀だな。
はい、即戦力として頼れます。
たしかAさんは、奨学ローンがあると面接で言ってたよな。
そうですね。
母子家庭で進学を迷ったとか。
彼女は奨学ローンを返す目標があるから、仕事への意欲があるんだろう。
借金は身上の薬となった良い例だよ。
「借金は身上の薬」の由来
「借金は身上の薬」は、いつ頃に使うようになったのか、語源や由来などは不明です。
人々の暮らしの中で、自然に生まれた言葉ではないかと思われます。
借金をした後の方が、今まで以上に努力する様子が見える人がいるので、借金することが必ずしも悪いこととは言い切れないという意味で使われる言葉です。
「借金は身上の薬」の類義語
「借金は身上の薬」よりも「借金も財産のうち」の方がよく使われる言葉です。
「借金も財産のうち」の意味は、大きくわけて2つあります。
1つは、住宅ローンや事業資金のような大きな額の借金は、その人の収入や土地家屋など資産などから可能な額を借入します。
つまり、お金を借りられるのは、その人の収入や資産があるから信用されているわけです。
簡単に借りられる小さな額の借金とは違い、大きな額の借金は財産のうちに含まれるという意味です。
もう1つの意味は、「借金は身上の薬」と同じく、お金を借りたことで倹約、節約に努め、さらに仕事を真面目に頑張れるので財産が増えるからです。
まとめ
「借金は身上の薬」という言葉は、今の時代でも使う場面は多くあると思います。
お金を借りることは、できれば避けたいと考えるのが健全ですが、まとまったお金が無くて何もできないまま諦めてしまう人には、励みになる言葉ではないでしょうか。