【利口がこぶらへ回る】とはどんな意味?どんな時に使うの?

ことわざ・慣用句

「利口がこぶらへ回る」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

利口は頭の良い人のこと、賢くて頭がキレる人のことを表す言葉です。

ではこぶらへ回る・・とは。

意味がわかりませんね。

今回は「利口がこぶらへ回る」の意味や使い方について解説します。

また、こぶらが何を示しているのか、またその語源についても考えてみました。

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「利口がこぶらへ回る」の意味とは

「利口がこぶらへ回る」は、

気を利かせたつもりだったのに、かえって失敗につながること。

利口ぶってめぐらした策が、逆に裏目に出てしまう。

このような意味があります。

こぶらとはふくらはぎのことです。

なぜこのような言葉が生まれたのか、色んな説があるようです。

諸説ある中で、なるほど・・と思ったのが相撲の取り組みです。

上手い手を考え過ぎてしまうと、無理な体勢になってふくらはぎが痙攣するようなことになるからという説です。

たしかに、足を踏ん張り過ぎたりすると、ふくらはぎの筋肉がつることがあります。

策が裏目に出ることを表す言葉として、ふくらはぎを使うのは誰もが経験する痛みなので伝わりやすいのではないでしょうか。

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「利口がこぶらへ回る」の使い方

「利口がこぶらへ回る」の使い方を例文で見ていきましょう。

こと子
こと子

今日はまた先輩からダメ出しされちゃった。

どんなことで?

こと子
こと子

私が会議用に準備した資料がダメだって。

頑張って作ってたのにね。

こと子
こと子

資料だけで理解してもらおうとし過ぎて、文字量が多過ぎるって言われた。

なるほどね。
伝えたい気持ちが強いと資料も分厚くなるから。

こと子
こと子

しかも、横文字を多く使っていると嫌味に感じる人たちもいるから利口がこぶらへ回るわよって忠告された。

たしかにビジネス用語でも横文字を使い過ぎると機嫌が悪くなる管理職の人たちいるからね。

このように、気をまわしたつもりのことが、かえって裏目に出ることを表すときに使います。

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こぶらの由来とは

現在は、「ふくらはぎ」という部位名が全国共通ですが、なぜかふくらはぎがつることだけは「こむら返り」と言われます。

それはふくらはぎのことを「こむら」とか「こぶら」と呼んでいた時代が長かったからです。

さかのぼると、平安時代にはふくはらぎのことを「こむら」とか「こぶら」と呼んでいたようです。

こむらやこぶらの語源については諸説あります。

有力なのは、ふくらはぎは力が入るとぷくっと膨れて筋肉がまるでこぶのように盛り上がるので、こぶのように見えることが語源ではないかという説です。

江戸時代にはすでにふくらはぎが主に使われるようになったので、こむらやこぶらは地方の方言として使われています。

ですが、ふくらはぎと呼ぶのが一般的になったのにもかかわらず、相変わらず「こむら返り」と言いますよね。

「こぶら返り」という地域は少ないようですが、大阪ではこむら返りではなくこぶら返りというようです。

なぜ大阪ではこぶら返りなのか、その理由は謎です。

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まとめ

「利口がこぶらへ回る」という言葉は、ふくらはぎのことをこぶらとは言わない地域が増えている今の時代には、使いにくいでしょう。

消滅してしまう日も近いのかも知れませんが、言葉の移り変わりを実感できるのではないでしょうか。