土用の丑には鰻(うなぎ)を食べて、暑い夏を乗り越えよう!
そんな感じで夏の暑い盛りの鰻をヒットさせたのは平賀源内という人物だというのは有名ですよね。
今でいうところの、コピーライターみたいな人です。
夏になると売れ行きが悪くなるのを何とかしたいと思った鰻屋さんが、平賀源内のアイデアを使ったわけです。
それはさておき、鰻という姓があるのを知っていますか?
関西の漫才師に「銀シャリ」というコンビがいます。
その1人が鰻さんです。
日本全国でも珍しい姓ですが、その由来がとても興味深いのです。
鰻という姓の由来
鰻という姓は、日本全国でも10数世帯という非常に珍しい苗字です。
鹿児島県がその鰻姓のルーツのようです。
現在の指宿市山川町に大きな池があり、そこでは大きな天然の鰻が沢山獲れました。
その池を鰻池と呼んでいたようです。
そして、その池の周辺に暮らしていた人々は、苗字を持っていませんでした。
もともとは、その土地の人たちは、西郷隆盛とゆかりのある一族だったのですが、○○村の○○のように、姓ではなく村や地名を名乗っていたのです。
それはこの地域だけに限ったことではなく、明治時代になるまでは、農民などは苗字がなかったのです。
明治時代になると、戸籍制度を整えることになり、国民全てに苗字が必要となります。
多く民たちは、その土地にちなんだ苗字にしたり、その土地の名士に付けてもらいます。
鰻池の周りの人々は、ゆかりのある西郷隆盛に苗字を考えてもらえるように頼むと、「鰻でよか」とうひと言で決まったと伝わっています。
その後、鰻姓の人たちが日本各地に広まっていくのですが、かなり珍しい苗字なので、改姓した人もいて、今では10数世帯しか残っていないのです。
鰻さんは鰻を食べてはいけない?
鰻さんという家の人のリアルな話を聞く機会はほとんどないので、芸能人として活躍している銀シャリの鰻さんのお話がどうしても目立ちます。
銀シャリの鰻さんいわく、鰻家の直系の人が鰻を食べると命を落とすと言われているので、彼は鰻を食べられないのだそうです。
他の鰻家の人はどうなのかわかりません。
他の10数世帯の鰻さんに取材しなければ確かめられません。
銀シャリの鰻さんの家では、先祖の中に鰻を食べて数日後に亡くなった人がいると言い伝えられているので、怖くて食べられないでしょうね。
嫁いできた母親や妻などは、鰻を食べても全く問題は起きていないそうです。
偶然だとしても、ちょっと怖くなるようなお話ですね。
鰻姓を名乗る人々が、鰻のおかげで生計を立てていたとすれば、鰻を崇めていて、それが「食べてはいけない」という言い伝えになったとしても不思議ではありません。
日本では明治時代になるまで牛肉を食べなかったのは、農耕のために働いてくれる牛を食べるなんて罰当たりだと思われてきたからです。
生き物の命に対する尊厳を持って暮らしていた人々が多かったのではないでしょうか。
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まとめ
はじめて鰻さんという苗字があると知った時は驚きましたが、日本全国にはまだまだ珍しい苗字が沢山あります。
そのまま鰻(うなぎ)さんと読めるだけ、易しいのかも知れませんね。