【ほっこり】と【まったり】は方言だった?どういう意味だったの?

ことばの雑学

「ほっこりする」とか「まったりしている」は、気持ちや状態を表す言葉としてよく使いますよね。

「ストレスたまってたけど、あたたかいお茶とおいしいお菓子のおかげでほっこりした気分になれた」

「やっと仕事が一段落ついたから、お茶しながらまったり過ごしている」

このような使い方をしているのではないでしょうか。

日本全国で「ほっこり」と「まったり」は同じ意味として使われていると思うのですが、どうも一部では違う意味の方言だったようです。

「ほっこり」や「まったり」が全国的に使われる言葉になったのは、方言と関係があるのか疑問です。

今でも「ほっこり」と「まったり」が方言として使われているのか、またどんな意味だったのか調べています。

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「ほっこり」とは

「ほっこり」は京都や滋賀では「少し疲れた」という意味で使っていたのです。

「朝から忙しくて、ちょっとほっこりしたな」というような使い方をする方言だったのですが、それがいつの間にか変わってしまいました。

「ほっこり」は「ホッと一息つく」とか「ホッとして安らげる」というような意味となっています。

なぜ「少し疲れた」という意味から「ホッとする」とか「安らげる」という意味になったのでしょうか。

その理由として考えられるのが、少し疲れた後にする行動です。

少し疲れたと感じる時には、人はどんなことをするでしょう。

お茶を飲んで一息ついて休憩しますよね。

休憩している時のホッとした心持ちが「ほっこりする」という現在の意味になっていたのではないでしょうか。

つまり、京都や滋賀の方言として使われていた「ほっこり」の意味と無関係ではなく、少し疲れたから休憩しているのに、前半の「少し疲れた」が消えてしまったのです。

もともとは京都や滋賀の方言だったのが、言葉の与えるやわらかくて心があたたまるような耳ざわりの良さが、全国的に使われるようになっていったのではと推測できます。

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「まったり」とは

何もしないでのんびりしているとか、ボーっとしているというような意味で使われる「まったり」という表現。

これは京都では味を表す言葉として使われています。

京都だけじゃなく、他の地域でも「まったりした味」のような使い方をしますよね。

「まったり」はコクのある味とか、濃くて深い味を示しています。

その「まったり」が、なぜ「のんびりする」とか「ボーっとする」のような意味の言葉になったのでしょうか。

調べてみると、京都では「ゆっくり」という意味で「まったり」を使うこともあるようです。

なぜ味を表現する「まったり」が「ゆっくり」という意味になったのかは、コクのある味わいになるためには、ゆっくりと時間をかけなければいけないからという理由からのようです。

熟成させることで味わいが深くなる食べ物は色々ありますよね。

梅酒とか味噌などは、じっくりと寝かせることで、味に深みが出ると言われています。

このように、「まったり」した味にするためには、焦らずにゆっくり時間をかけることから、「まったり」は「ゆっくり」という意味を含むようになります。

そこからさらに「のんびりする」とか「ボーっとする」のようなゆるやかな時間の過ごし方をすることを「まったりする」と表現するようになったのではないでしょうか。

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まとめ

京都や滋賀の方たちは、日本各地で「ほっこり」や「まったり」という言葉が使われているのを知っているでしょう。

元々の意味から変化しているのもわかっているはずですが、いいイメージの言葉として広まっているので、否定的な意見はあまりないようです。

それでも「ほっこり」や「まったり」が方言から広まったことは、知っておきたいですね。