「かんこうする」という言葉を聞いて意味を理解できるのは愛知だけ?

名前・地名・方言

「ちょっとあなたたち、もう少しかんこうできないの?」

「かんこうしないと終わらないよ」

このような会話で「かんこう」という言葉が使われていても、意味が理解できる人はごく限られた地域で育った人ではないでしょうか。

「かんこう」とは、愛知県を中心とした東海地方で使われている方言です。

その意味や使い方、語源などを解説します。

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「かんこう」の意味

愛知、岐阜など東海地方で使われる「かんこう」を標準語に変換すると「工夫」です。

「かんこう」が「工夫」という意味なんて、どういうこと?と思うのは当然のことでしょう。

今現在では、愛知県民でも「かんこう」を使う世代は限られていますが、若い人でも意味は理解できます。

少し地域が変わるだけで、「かんこう」という言葉の意味は通じなくなるのです。

「かんこう」の使い方

「かんこう」の使い方を例文で見てみましょう。

昨日買ってきた材料でいったい何を作るんだ?

DIYでBookスタンドを作るつもりなの。

そんなの作れるのか?
夏休みの工作だってお父さんが作ってたくらいなのに。

うるさいなぁ。
お手本になる動画があるから大丈夫だよ。

ちゃんとかんこうして寸法を考えるんだぞ。
ただの箱じゃ本棚にはならないからな。

もう、わかってるってば!

このような会話で使われます。

「かんこう」を使っている地域

標準語の「工夫する」という意味で「かんこう」を使っているのは、愛知県と岐阜県です。

とくに愛知県でも西部になるほどよく使われています。

岐阜県も愛知県と言葉がよく似ているので、「かんこう」も同じ意味で使われています。

三重県は四日市あたりを境にして、名古屋寄りでは使うことがあるようですが、名古屋から離れると関西弁が強くなるので、「かんこう」を使う人や意味を理解する割合が少なくなっていくようです。

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「かんこう」の語源とは

「工夫する」という意味で愛知や岐阜で使われる「かんこう」の語源は、「よく考える」という意味の「勘考」だと言われています。

「勘考」という言葉の意味を調べてみると、

考えをめぐらすこと。
よく思案すること。

などと説明されています。

つまり、愛知県を中心とした地域の方言となった「かんこう」は、「よく考えて、工夫すること」になっていったのではないかと推察されます。

語源となった「勘考」という言葉は、あまり日常会話に使われていません。

方言の「かんこうする」という意味を伝える時には、圧倒的に「工夫する」という表現を使う人が多いのではないでしょうか。

まとめ

もともとの言葉が変化して、限られた地域だけで使われるようになると、それが方言になるという面白い例でした。

「かんこうする」という言葉を使う世代が少なくなっているので、若い人にも使い続けて欲しいですね。