当たり前に使っている言葉が、略された言葉だったと知って驚くことってありませんか?
あまりにも当たり前になっているので、まさか略されていたなんて、思いもよらないことがあります。
演歌もその一つです。
演歌と言えば、日本の情緒たっぷりの歌詞が特徴的な歌謡曲です。
ポップスやロック、R&Bなど、洋楽の影響を受けた音楽が定着している中でも、演歌は根強く愛されています。
あまりにも当たり前に演歌という単語を使っているので、まさかこれが略語だと知らない人も多いと思うので、演歌のもとになった言葉をご紹介しましょう。
演歌は演説歌の略語
演歌は演説歌が略された名称だと言われています。
演説歌とは明治時代に自由民権運動のために人々を集めて演説を音楽の乗せて行ったのが演説歌のもとになっています。
政治を批判するための風刺の歌詞が演説歌の特徴でした。
体制への批判をすると厳しく取り締まられる時代だったため、その取り締まりから逃れるために音楽の乗せて批判したのです。
その後、自由民権運動が落ち着いてからも、演説歌は社会への風刺が込められていたのです。
演説歌が演歌として略されてから時間が流れると、演歌のもとになった演説歌の特徴も消えてきます。
今の演歌を聞いても、社会や体制を批判したり、風刺する内容はどこにも残っていません。
いつの間にか演歌の内容も変化してしまったのでしょう。
今の演歌とはどんな歌のことなのか調べてみると、
浪花節に通じる哀愁を帯びた日本的な流行歌
とあります。
「哀愁を帯びた」というのが演歌のポイントなのでしょうね。
今の演歌は艶歌が合う
社会への批判から生まれた演歌は、明治から大正、昭和と時代が流れると、男女の悲恋や貧しさ、義理人情などがテーマになった歌詞の内容に変化してきました。
これは「流し」という職業から流行ったと言われています。
「流し」というのは、ギターやアコーディオンを持って夜の街の繁華街で唄う人のことです。
この頃に作られた歌謡曲が今の演歌に共通する点が多く、演歌ではなく艶歌と呼ばれていました。
歌手という職業の人がラジオやテレビで流行歌を唄い、レコードに録音されて、その歌が世の中に流れるようになりさらにまたヒット曲を生み出すというサイクルになってきます。
すでに演説歌の名残はすっかり消えて、演説歌が芸能の一部になって変化したことで今の演歌となっていったと考えられます。
つまり、言葉としては演説歌の略語ですが、演歌の特徴としては艶歌の方が合っているのではないでしょうか。
まとめ
演歌が演説歌の略だったとは、平成から令和の時代を生きる現代人の多くは知らないでしょうね。
昭和生まれの人でも、ほとんど知らないのではないでしょうか。
もしかしたら、演歌歌手を職業としている人に質問しても、演説歌の略語だとは知らないのかも知れませんね。
意外な略語は身近に溢れているので、探してみるのも楽しいと思います。