「こつこつと貯めたへそくりで・・」
「へそくりを使い果たしてでも手に入れたかった」
「へそくり」とはそういうお金のことですよね。
臍(へそ)という体の部位が使われているので、何か体に関係があるのでしょうか。
それともお腹に隠しているからなのでしょうか。
お腹に隠していたからじゃない?
そういう由来かもな
たしかにそう言われてみると、お腹に隠して貯めたお金だから「へそくり」になったと言われても違和感はありません。
ほんとのところはどうなのか、調べてみましょう。
「へそくり」とは
「へそくり」とは、どんなお金のことなのか調べてみると、
主婦などが、家計をやりくりしたりして、不時の出費に備えてためたお金
新明解国語辞典
このように書かれていました。
主婦などが・・というのが気になりますが、専業主婦が多かった時代が長く続いたので、その点については触れないようにしましょう。
不時の出費とは、思いがけずにお金が要りようになることです。
ギリギリの生活をしていると、思いがけない出費があると、借金するしか方法がなくなってしまいます。
へそくりして備えておけば、いざというときの出費に困らないので上手くやりくりできることが、主婦の知恵のように考えられてきたのでしょうね。
パパもへそくりしてるんじゃないの?
何言ってるんだよ・・・
最近はお小遣い制の旦那さんが、昼ご飯代を切り詰めてへそくりするケースも多いと思います。
主婦に限らず、へそくりは節約や倹約によってためるのは共通です。
隠して貯めるという定義はないのですが、何となくそういう印象があるのは臍繰り(へそくり)というからではないでしょうか。
「へそくり」の語源
「へそくり」を臍繰りと書くのは、じつは誤解からだと言われています。(諸説あり)
「へそくり」の語源は綜麻(へそ)で紡いだ麻糸でくくって貯めたお金のことでした。
綜麻繰り金(へそくりがね)を略して「へそくり」と言っていたのが、綜麻を臍だと勘違いして臍繰りとなったという説があります。
なぜ勘違いしたのか・・という理由は調べてもわからないのですが、推測ではやはりお腹に隠して貯めたお金だからではないかと思ってしまいますね。
「へそくり」の類語
「へそくり」と同じような意味で使われるのが「とらのこ」です。
「とらのこ」は虎の母親が子供をとても大切にして育てる様子から、「手放さない物」をあらわす言葉です。
今では大切に貯め込んだお金を使うときに「とらのこを使う」などと言うことがあります。
「へそくり」はいざというときの出費に備えるお金ですが、「とらのこ」は手放すつもりはない金品のことなので、本来の意味とは違うのですが類語として認識されています。
まとめ
「へそくり」は臍とは全く関係なかったのに、どこかで誰かが勘違いしたことから臍繰りになったというのは面白いですね。
当たり前に使われている言葉には、当て字が使われることが多いです。
なぜなのか?と由来を調べるのが楽しくなると思います。