その場の雰囲気を壊さずに、上手く話をつなくことができなかったりすると、「間が持たない」とか「間が持てない」なんて言いますよね。
「間が持たない」のか「間が持てない」のか、正しいのはどちらなのでしょう。
どちらも使われているので、どちらでも間違いではないのか、それともどちらかが誤用のまま定着しつつあるのか。
「間が持たない」と「間が持てない」のどちらが正しいのか解説します。
「間が持たない」と「間が持てない」正しいのは
「間が持たない」と「間が持てない」は、同じ意味で使われていますが、正しいのは「間が持てない」です。
「間が持てない」の意味は、
その場をうまくつなぐことができず、時間を持て余してしまう。
という意味です。
または、
会話が途切れがちになってしまい、沈黙する時間が多くなる。
という意味で使うこともあります。
その他にも、待ち時間などが長くなった時などに、何をしてよいのかわからずに時間を持て余す時にも使います。
つまり、「間が持てない」というのは、気まずい空気を作ったり、退屈してしまうような時間ができてしまった時に使う表現なんですね。
「間が持たない」は誤用
「間が持てない」が本来の言い方なのですが、どちらが正しいのか自信を持てない人が増えています。
ある調査では、「間が持てない」を使う人が約30%に対して、「間が持たない」を使う人が約60%という結果があります。
完全に逆転してしまったのです。
だからどちらが正しいのか、わからなくなってしまうのも不思議なことではありません。
そのうち、誤用だったはずの「間が持たない」が正しい表現とされるのかも知れませんね。
「間が持てない」の使い方
「間が持てない」という言い方がどのような場面で使われるのか、例文で見てみましょう。
お母さん、今日は定期健診だったよね。
そうよ。朝から行って、結局夕方に終わったの。
予約しているのに、待ち時間が長くて。
病院ってホントに待たされるから。
本とか持って行かなかったの?
忘れちゃったのよ。
病院に売店もなくて、テレビもない待合室だから暇で暇で。
それは間が持てないね。
でしょ。
あまりにも間が持てないから、待合室に置いてある子供用の絵本を読んじゃったわよ。
それはよほど暇だったんだね(笑)
このような使い方をします。
他にも、無口な人、口下手は人との会話する時に、話が途切れて気まずい空気になることを表現する言い方としても「間が持てない」は慣用句として使えます。
まとめ
「間が持てない」と「間が持たない」を使い分けている人もいるかも知れませんが、本来は「間が持てない」というのが間違って使われているだけでした。
使う場面で使い分ける必要はないのですね。
本来の言い方よりも、間違って使われる言葉の方が定着しつつあるのは、他の日本語にも増えています。
本来の表現が誤用になってしまわないように、気をつけたいですよね。
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