ことわざのなかには、敵(かたき)を使ったものが多いです。
その理由を考えて見ると、敵を用いることで、立場がわかりやすくなり、伝えたいことを表現しやすくなるからではないでしょうか。
敵の家でも口を濡らせということわざも、伝えたいことを強調させるために敵を使っています。
敵の家でも口濡らせの意味や、どんなことを伝えようとしているのか調べてみました。
敵の家でも口を濡らせとは
敵の家でも口を濡らせとは、どんな時でも礼儀は守るものだという意味と、出されたものに口をつけないのは礼儀に反するという二つの意味があります。
どんな時で礼儀を守るべきだと伝える意味は、相手が敵対しているとしても、礼節は守るべきだと言っています。
もしも敵の家だとしても、お茶や食べ物を出されたとしたら、それに口をつけないのは礼儀にするのです。
お茶を出されたのに、口もつけないのは失礼だというのはマナーの基本です。
例え敵の家でも、その礼儀だけは守らなければいけないという教えなのです。
口を濡らすとは、お茶やお酒など飲み物だけではなく、食べ物も含めています。
口を濡らすというのは、お酒についての表現だったので、敵の家でお酒を振舞われた時に、酔って油断してしまうのを恐れて口をつけないのは情けないという意味も含んでいるようです。
お茶を出された時のマナー
敵の家でも口を濡らせとは、出されたものに口をつけないことは失礼という意味ですから、どんな時でも出されたものに口をつけるのが礼儀として正解です。
ですが、敵の家ということわざのようなことはまずないので、お茶や食べ物を出された場合は、すぐに手を出すのはマナーとしてはNGなんですね。
仕事で取引先に訪問した時にお茶を出された時でも、口をつけないのはもちろん失礼です。
せっかく出していただいたのに、口をつけないなんて無礼なことです。
ですが、「どうぞ~」とすすめられてから飲むのが正しいマナーです。
運ばれたものに手を出して、口をつけるタイミングもマナーとして大切なポイントです。
自分の前に出されたとしても、「どうぞ」と促されるまでは待ちましょう。
手を出さない客人に対して「どうぞ」と促せないのは、おもてなしのマナーに問題があります。
もしも促されなくて、手を出すタイミングが見つからなかった場合は、自分から「頂戴します」とことわってから口をつけるようにしましょう。
まとめ
敵の家でも口濡らせとは、どんな場面でも礼儀を重んじることが大切だと伝える意味ですから、敵を目の前にしても、マナーを守れないのは恥ずかしいことなんですね。
敵の家に行くようなことはないとしても、おぼえておきたいことわざです。