「駄目を押す」は「駄目押しする」と言い換えて使われることが多くなっています。
スポーツの中継などで、勝敗を決定着けるようなときに使われるので、耳にする機会もありますね。
しかし、そもそも「駄目を押す」とはどんな意味なのでしょうか。
今の使われ方は「駄目を押す」の意味として正しいのかどうか・・・という点も疑問です。
そして「駄目」とは何のことなのかなど、色々疑問が湧いてきました。
今回は「駄目を押す」について調べたことをご紹介します。
「駄目を押す」とは
「駄目を押す」とは、
もうすでに間違いないとわかっていながらも、念のためにもう一度確認すること。
という意味があります。
つまり、入念な確認をすることが「駄目を押す」という本来の意味だったのです。
現在は、勝負の勝敗が誰の目にも明らかな状態なのに、最後に勝利を決定させるよな技や得点に対して「駄目押しする」といのとは、少し意味が違うような気がします。
しかし、勝負の決着は最後の最後までわからないので、勝負の相手が戦意を失いような得点などに対して「駄目を押す」から「駄目押しする」と言われるようになったわけです。
念のための確認という意味では、通じるのではないでしょうか。
「駄目を押す」の「駄目」とは
「駄目を押す」ではなく、普通の会話の中でも「駄目」はよく使います。
「駄目出し」というのは、業界用語から始まり、今ではすっかり日常の会話でも聞かれます。
この「駄目」とはいったい何のことなのか、知らない人も多いでしょう。
「駄目」とは囲碁の用語です。
囲碁の碁盤の中には、双方どちらの地でもない境目があります。
その境目のことを駄目というのです。
駄目に石を詰めるのは、自分の地を明確にするためだけの目的です。
駄目は勝敗には関係のないところなので、自分の地を確認するためだけに詰めるので、「念のための確認」のことを「駄目を押す」というようになったわけです。
駄目が転じたわけとは
今では「駄目」は「悪いところ」とか「失敗」というような意味として定着しています。
しかし、「駄目」のもとになった囲碁では「駄目」=「悪い」ではありませんでした。
なぜ「駄目」が悪いことを示すようになったのでしょうか。
色々な説がありますが、「駄目」は勝敗に関係のないところなので、「意味のない」ということに使われるようになり、そこから「意味がない」→「価値がない」→「良くない」→「悪い」という意味に変化してきたと言われています。
禁ずる意味での「駄目」
「駄目を押す」の語源となった囲碁では、相手と自分の境界線の「駄目」から意味が広がったのですが、今では大人が子供を叱ったりする時の言葉として「駄目」を使うようになっています。
「それは駄目だよ」
「駄目なことは駄目」
親から「駄目」を連呼されている子供を見かけることが多いですよね。
「駄目を押す」は念のための確認の意味だったのですが、いつのまにか禁ずる意味として使われるようになっています。
なぜ今のような使われ方になったのかはハッキリしていません。
推測すると、「しても意味のないこと」や「やっても仕方ないこと」を教える意味で「駄目」を用いたのではないかと考えています。
まとめ
「駄目を押す」と「駄目押しする」は同じような意味ですが、まさか囲碁の用語がもとになっているとは知らなかった人も多いのではないでしょうか。
「駄目を押す」は、「駄目出し」のような悪いことを指摘するような意味とは違うので、混合しないように気をつけたいですね。