カレー南蛮は、カレーをかけた蕎麦のことですが、なぜカレー蕎麦と呼ばないのでしょうか。
カレーうどんはそのままなのに、蕎麦だけカレー南蛮と呼ぶのは不思議です。
南蛮漬けというのもいったい何が南蛮なのか今ひとつわかりません。
そもそも南蛮って何のこと?
今回は南蛮について調べてみました。
南蛮の語源
南蛮の語源を調べると、漢字ですから中国から伝わったことが分かります。
蛮という文字には、虫が使われていて、人よりも下等なことを表す文字として野蛮とか蛮族などと見下す表現に使われます。
南蛮は、中国を制した当時の勢力に屈しなかった南方の民族を蔑視するために用いた言葉が語源でした。
日本に漢字が伝わった時に、蛮という字の表現の意味はそのまま伝わっています。
南蛮とは、外国から伝わってきた物や人のことを総して使う言葉だと思い込んでいる人が多いのですが、もともとは蔑視する言葉だったのですね。
南蛮が付く料理
カレー南蛮や鴨南蛮など、蕎麦には南蛮がつくものが色々あります。
その理由は唐辛子やタマネギを使うからだと言われています。
唐辛子は日本にはもともと存在しないスパイスで、南蛮辛子と呼ばれていました。
タマネギも日本にはなかった野菜で。これらの外来の食物を使った料理には南蛮が使われるようになりました。
南蛮漬けはタマネギも唐辛子も使います。
チキン南蛮は油で揚げたものに南蛮酢というタレをかけてタルタルソースをかけます。
他にも唐辛子を刻んで練り込んだ南蛮味噌など、様々な料理に南蛮という文字が入りますが、もともとが蔑視の表現だったことは考えずに使われているようです。
西洋文化と南蛮
日本にポルトガル人やスペイン人が船で渡ってくるようになると、西洋から様々な文化が入ってきます。
その時に伝わった野菜や料理に南蛮が使われるように、西洋人のことを南蛮人とか、西洋文化のことを南蛮渡来と言うようになります。
南蛮とは中国から見て南方のことです。
今で言うと、タイとかインドネシアなど東南アジアのことです。
西洋人が日本に渡ってくる時に南蛮経由で来ることから、ポルトガル人やスペイン人から伝わるものは南蛮渡来というようになったのでしょう。
中国で生まれた南蛮という言葉の意味は、この頃になると本来の意味ではなく、外国から渡ってくるものすべてに対して使うようになってきます。
今でもカレー南蛮とか、南蛮漬けのように定着しているのですから、よほど一般的に広がった言葉だったのでしょう。
まとめ
南蛮の語源を調べてみると、そういえば野蛮にも使われる蛮という字の意味を知ることになりました。
虫と同様に人を見下す意味だったとは知らず・・ちょっと複雑な気持ちになります。
でも、カレー南蛮もキチン南蛮も南蛮漬けも美味しいので大好きなのは変わりませんよ。